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一皮むけたウェンディ・マックアイザック [北アメリカ]

Wendy MacIsaac.jpg

2012年のベスト10にも入れたこともあって、メアリー・ジェーン・ラモンドとの共演作が
いまだ記憶に新しい、ケープ・ブレトンの女性フィドラー、ウェンディ・マックアイザック。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-10-12
それまでに聴いていたウェンディ・マックアイザックのソロ・アルバムは、
少し真面目すぎるというか、堅苦しい印象を持っていたので、
メアリー・ジェーン・ラモンドとの共演で聞かせたのびのびとしたプレイは、新鮮でした。

ウェンディへの印象を一新したところに届いた今回の新作は、
ライヴ感覚を生かしたアルバムを作ろうと、ウェンディが企画したものだそう。
まず、05年に友人たちを招いて、リラックスした環境のもとで録ったスタジオ・ライヴの5曲に続き、
残り4曲のライヴ録音を昨年行い、完成させたアルバムです。

どうしても根の真面目さが出るウェンディなので、
リラックスしたライヴ・レコーディングにしようという意図には大賛成。
これならいいアルバムになりそうという、予想通りの出来に仕上がりました。

ウェンディのバックを務めるのは、ピアノとギターの二人だけ。
最初の05年録音の5曲こそ、きっちりと几帳面なプレイで、
やっぱりウェンディらしいなと思いつつ、それでも伸びやかな演奏を楽しめました。

驚いたのは、続く4曲の昨年のライヴ録音。
こちらは、どこかの町のお祭りかなんかで演奏している様子をレコーディングしたふうで、
演奏中もずっとざわついている会場の雰囲気が、ナマナアしく捉えられています。
これ、普通のコンサートじゃなさそうだなあ。嬌声をあげる観客も大勢いるし。
ガラの悪さも感じさせる雰囲気が、
堅苦しくなりがちなウェンディの殻を突き破るのに、役だったみたいですね。

ギタリストがエンディングでミス・トーンを発しても、
OKテイクにしちゃうなんて、かつてのウェンディだったらなかったんじゃないかなあ。
「かまへん、かまへん、いったれー!」的なイキオイが演奏全体に溢れていて、
フィドルを弾きながら足でリズムを取るウェンディのステップも、逞しく響き渡ります。

ライヴ感覚に富んだアルバム作りをしようというネライどおり、
優等生的な演奏を脱し、ケープ・ブレトンのごりごりの伝統音楽をやるウェンディがまばゆいっす。

Wendy MacIsaac "OFF THE FLOOR" Wendy MacIsaac WMOTFCD1 (2014)
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