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シャンガーン・エレクトロ・ゴーズ・トゥ・ザ・ワールド ノジンジャ [南部アフリカ]

Nozinja  LODGE.jpg

5年前にオネスト・ジョンズからリリースされた“SHANGAAN ELECTRO” には、
びっくりさせられましたよねえ。
伝統的なダンス・ミュージックをエレクトロ化した、
チープかつミニマルなサウンドに、思わずギャハハと爆笑したもんです。
シャンガーン・エレクトロは、ラガマフィンが登場した時の衝撃に匹敵する、
痛快な事件でした。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-07-27

あの名作をプロデュースしたノジンジャのソロ・アルバムがリリースされると聞き、
矢も盾もたまらず、レーベル元のイギリスのワープにプリ・オーダーしておいたんですが、
一週間前に届いた小包を開けて、ニンマリ。
CDと一緒に、ノジンジャと書かれた名刺大の黒のプラスチック製プレートと、
ピンク色に染められた鳥の羽が1枚封入されていたのでした。

かわいらしいオマケに、こりゃなんだろうと思ったのですが、
どうやら、ノジンジャのステージ衣装で肩回りを飾る鳥の羽のようです。
そして、満を持してというべき、インターナショナル向けリリースのソロ第1作。
期待と不安が半々だったんですが、うん、いい仕上がりになっていますね。

インターナショナル向けということで、ローカル性を失った
オーヴァー・プロデュースを心配していたんですけれど、
シャンガーン・エレクトロの持ち味であるチープ感を損なわずに、
カッコよく仕上がっていて、こりゃ、いい、と嬉しくなりました。

シャンガーン・エレクトロは、基本がコール・アンド・レスポンスで、
しつこく反復を繰り返すものだから、どうしたって単調になりがち。
インターナショナル向けに聴きやすく、どうやって変化をつけるのかと思ったら、
リズム処理にさまざまな工夫を凝らしていますね。
レゲエを取り入れたゆったりとした8分音符のビートだと、
シャンガーン特有のファニーなサウンドの表情が消え、
ストリートぽさが前に出て、新たな魅力を感じます。

オネスト・ジョンズ盤のような、痙攣するような速いテンポの曲こそありませんけれど、
キーボードのキュートな響きは、まったく同じもの。
ふと思ったんですけど、クスクス笑いを誘うようなこのキーボード・サウンドって、
YMOがデビューした時のシンセのピコピコ音と、どこか似てるような気がします。
アメリカやヨーロッパのメディアが、YMOを「キュート」と評したのと、
共通するセンスを受け手に感じさせるものが、シャンガーン・エレクトロにはあります。

Nozinja "LODGE" Warp WARPCD252 (2015)
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