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80年代J-フュージョンの金字塔 ザ・プレイヤーズ [日本]

The Players  Madagascar Lady.jpg

あああああああ、やっと! ついに! とうとう! CD化なりましたぁ!
いったい、どんだけ待たすんだ、ばかやろー、でありましたね(怒のち感涙)。

コルゲンさんこと鈴木宏昌率いるコルゲン・バンドあらため
ザ・プレイヤーズの最高傑作である、81年の『マダガスカル・レディー』であります。
前に渡辺香津美の記事にも書きましたけれど、
世のフュージョンのぼんくら評価のせいで、
いつまでたってもCD化がかなわなかった作品ですよ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14

ザ・プレイヤーズの代表作というと、
80年の2作目『ワンダフル・ガイ』で事足れりにされてましたからね。
(ちなみに、LP当時から邦題がおかしいんだよなあ。「ガイズ」にすべきでしょ。
バンド名をプレイヤー「ズ」と名乗っているくらいなんだからさ)

なぜこれまで『ワンダフル・ガイ』が代表作扱いされてきたかといえば、
発売当時、日野皓正のゲスト参加で話題となったから。
ウェザー・リポートに強く影響されたバンドの音楽性が完成したのは、
このあとの3作目にあたる『マダガスカル・レディー』であることは、
ナカミをしっかりと聴いている人なら、歴然だってのにさ。

ハービー・ハンコックのジャズ・ファンクを
いち早く取り入れたコルゲンのキーボード・プレイ、
エリック・ゲイルそっくりのギターを弾く松木恒秀、
スティーヴ・ガッドと聴きまがう渡嘉敷祐一のドラムス、
アンソニー・ジャクソンばりの太いベースを弾く岡沢章、
後期コルトレーン、ウェイン・ショーターの影響あらたかな山口真文のサックスという、
超一流のスタジオ・ミュージシャンが集まったザ・プレイヤーズ。

このメンバーで、和製ウェザー・リポートといった演奏を聞かせるんだから痛快です。
本作に収録された「C.P.S.(Central Park South)」は、
曲想・メロディともに、ウェザー・リポートの「バードランド」のまんま引き写し。
ここまであからさまに似せると、かえってすがすがしいくらい。
このトラックに続き、ウェザー・リポートの名曲「8:30」も
カヴァーしているんだから、なおさらです。

本作がザ・プレイヤーズの代表作にふさわしいのは、
山口真文の激烈なソプラノ・サックスが聴けるからなんですね。
ザ・プレイヤーズが素晴らしかったのは、山口真文がメンバーにいた時代で、
山口が抜け、サックスがボブ斉藤と中村誠一になってからは、バンドに華が失われました。
それくらい山口の存在感は大きかったといえます。

タイトル・トラックの「Madagascar Lady」、
「Get Away」でのソプラノ・サックスのソロは、
山口生涯ベスト級の名パフォーマンスです。
ひさしぶりに聴き返したけれど、血沸き肉躍って、もんどりうっちゃいました。
やっぱこれは、80年代J-フュージョンの金字塔というべき作品ですね。

大音量で聴いていて、家族から苦情がきちゃいましたけど、
長年ガマンしてたんですからね。もう辛抱たまりません。
35年ぶりに爆音でヘヴィ・ローテーションでっす!

The Players 「MADAGASCAR LADY」 GT MHC7 30042  (1981)
コメント(5) 

コメント 5

としま

えっ?これ、CDになったんですね!なんたって既にご存知の通り僕は大のウェザー・リポート・ファンですからね。でもアマゾンでどう探しても出てきません。どうなってんの??

『ワンダフル・ガイ』は『ワンダフル・ガイズ』のタイトルでも1998年にCDリイシューされています。
by としま (2016-06-01 17:32) 

としま

調べまくってようやく分りました。これ、タワーレコード限定販売なんですね。道理でアマゾンに出てこないわけです。というわけでタワレコ通販でオーダーしました。楽しみだなあ。


しっかしbunboniさんもおっしゃるように、フュージョン・ミュージックに対する評価の低さというか偏見というか。渡辺貞夫さんなんかも当時からボロカスに言う人がたくさんいて、今では聴続けているのなんて一握りじゃないなあ。だって貞夫さんのカタログはロクにCDリイシューされてませんもん。当時から現在まで愛している僕なんかか歯がゆくてなりません。

ウェザー・リポート(がフュージョンなのかどうかは別にして)だって、あれだけ人気があって玄人筋からの評価だって高かったのに、今ではすっかり手のひら返しで、話題にすら上がりません。。繰返しブログ記事にし続けているのなんて、僕くらいじゃないかな(嘆息)。
by としま (2016-06-01 20:51) 

bunboni

98年に出た『ワンダフル・ガイズ』は2度目のCD化です。初CD化とか謳ってましたけど、あれは大ウソ。91年にCD選書シリーズで『WONDERFUL GUYS』のタイトルで出たのが初CD化でした。

日本の音楽ジャーナリズムは、フュージョンを持ち上げるか、叩くかの両極端で、音楽性がまともに評価されてこなかったと感じています。
by bunboni (2016-06-01 22:08) 

AoYan

MADAGASCAR LADYが "80年代J-フュージョンの金字塔" という評価は全く同感です。
私は大学4回生の頃にFM-NHKのセッション'81でのライブ放送でPlayersを知り、MADAGASCAR LADYのレコードを購入して以来、スペース・トラベル、ジャック・ア・ダンディ、ピットイン・ライブ(CD)を聴いてきましたが、山口真文さんのクリアなsaxがやっぱいいいいなあ!と35年以上経過した今尚、思っています。(8:30に至っては、本家本元のW.R.のLiveより迫力があって素晴らしいと思っています。)
何故、saxが代わっていったのか!?今更、どうしようもありませんが、…
ともかく、The Players 万歳!
by AoYan (2017-04-16 18:35) 

bunboni

嬉しいコメント、ありがとうございます。
ザ・プレイヤーズの最高傑作とみなしている方がほかにもいらっしゃって、心強い限りです。フュージョン評論家がそんなことを言っているのなんて、見たことがないですもんね。
「大学4回生の頃に」とおっしゃっているので、AoYan さんとは同い年かもしれませんね。
by bunboni (2017-04-16 18:58) 

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