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アフロビーツ世代のエチオピアン・ポップ ヘノック・マハリ [東アフリカ]

Henok Mehari  AZMACH.jpg   Henok and Mehari Brothers  790.jpg

コンテンポラリー・ポップの新作も取り上げておきましょう。
ヘノック・マハリは、78年アディス・アベバ生まれ。
04年に“EWNETEGNA FIKIR (TRUE LOVE)” でデビューした、
キーボードを弾きながら歌うシンガー・ソングライター。

04年作は買ってはみたものの、もう手元にないので、記憶にありません。
ヘノックはその後、ギターのロベル、ベースのルワムの3兄弟で
ヘノック&マハリ・ブラザーズを結成し、2枚のアルバムを残しています。
16年に出した“790” は大ヒットとなり、ケニヤの音楽祭で音楽賞を受賞するなど、
エチオピア内外で人気を高め、大きく飛躍するキッカケとなりました。

この“790” には、ちょっとオドロいたんです。
エチオピアからも、ついにこんなポップ・ロックが出てくるようになったのかと。
言葉を意識しなければ、まるでウェスト・コースト産ポップ・ロックじゃないですか。
エチオピア色はまったくありませんけれど、
ポップスとしてのクオリティは、相当高い作品でした。

バンド名義ではなく、ヘノックのソロ名義となった新作は、“790” と同路線。
アフロビーツと親和性を感じさせる、21世紀型ポップスとなっていて、
レゲトンやEDMなども取り入れながら、ヘノックの明るい声が引き立つ、
親しみやすいロック・サウンドを展開しています。
尖ったところのない、中庸なポップスといった印象ですけれど、
キャッチーなメロディと、割り切りのいいサウンドづくりがいい相性。

ラッパーをフィーチャーしたレゲエの‘Tibeb’ もグルーヴィだし、
ヴォーカル・ハーモニーの利いた‘Shekilaw Seriw’ もいいけど、
ウチコミのマシン・ビートに、肉感的なマシンコの弓弾きや、
ロベルのロック・ギターが交叉する‘Ayderegim’ が、アルバムのハイライトかな。
ヴァラエティ豊かな曲が並んだ好盤。これは売れなきゃ、ウソだよね。

Henok Mehari "AZMACH" Awtar no number (2021)
Henok and Mehari Brothers "790" Henok Mehari no number (2016)
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