スカンジナビアン・フォーク・ジャズ・エレクトロニカ スヴェイヌボルグ・カーディブ [北ヨーロッパ]
スヴェイヌボルグ・カーディブは、デンマーク北部の港町、オールボー出身の二人組。
ジャズの鍵盤奏者ニコライ・スヴェイヌボルグと、
フォーク・ミュージックのドラマー、ヨナス・カーディブという、
異なる音楽性を持つ二人が13年に出会い、19年にデビュー作を出したとのこと。
3作目となる新作が、マンチェスターのインディ・レーベル、ゴンドワナから出て、
初めてこの二人を知りました。
温かみのあるメロウなウーリッツァーと、ひんやりしたシンセのサウンドが、
浮遊感のあるサウンドスケープをかたどり、
さまざまなリズム・アプローチを試みるドラムスとともに、
アンビエントなフォーク・ジャズ・エレクトロニカといった趣の、
いかにも北欧らしい演奏を聞かせてくれます。
どの曲も抒情を強調しすぎず、メロディがひそやかなところが、いいなあ。
まるで旋律が冬の大気に解き放たれて、たゆたうかのような曲が並んでいて、
その繊細なミニマリズムの心地よさに、うっとりしますね。
ドラムスが一定のリズムをキープしながら、
わずかずつ変化を加え、シンバルの連打で山場を作っていくんですね。
小物打楽器を組み合わせたパーカッション・アンサンブルを聞かせる
‘Orbit’ では、アフリカのリズムを参照したかのようで、惹かれました。
一部の曲で、トランペット二人とギターが参加しているんですけれど、
二人のサウンドにすっかり溶け込んでいて、ゲストの存在を意識させません。
ミニマルなグルーヴが心地よいこと、このうえないですね。
北欧のアトモスフィアに満ちたサウンドスケープは、
息も凍える真冬のサウンドトラックにぴったりです。
Svaneborg Kardyb "OVER TAGE" Gondwana GONDCD057 (2022)
2023-02-05 00:00
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