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エリカ・バドゥの影に埋もれた才能 ンダンビ [北アメリカ]

N'Dambi  Little Lost Girs Blues.jpg

前回に引き続き、『ミュージック・マガジン』3月号
ネオ・ソウルのディスク・ガイドにまつわるお話を。
セレクトで一番驚かされたのが、このアルバム。
まさか、ンダンビの自主制作のデビュー作が選ばれるなんて。

ンダンビは、エリカ・バドゥと同郷のダラス出身のシンガーで、エリカとは親友という間柄。
先にデビューして成功したエリカのバック・ヴォーカリストとなり、
エリカの大ヒット作 “BADUIZM” の翌年に、ひっそりとこのデビュー作を自主制作するも、
話題を呼ぶこともなく、消えていった人です。
と思っていたんですけど、今回の長谷川町蔵さんの記事で、
スタックスに移籍してアルバムを出していたことを知りました。

でもまあ、成功しなかったシンガーではありますよね。
このデビュー作を聞けば、エリカより歌唱力が数段上なのは、歴然なのに。
ぼくはエリカのスカした演劇臭い歌い口が大の苦手で、
だからなおさらンダンビを支持していたんですけれど、
無名に甘んじていたのが、残念でなりませんでした。

ネオ・ソウルのディスク選に登場することなんて、これまで皆無だったはず。
というより、この自主制作盤を知ってる人じたい、どれくらいいるのやら。
それだけに今回のセレクトは快挙で、快哉を叫びましたよ。

本作はタイトルにブルースを謳っているとおり、ブルージーな歌いぶりを聞かせていて、
アーシーなシンガーという一面をみせているところが、
他のネオ・ソウルのシンガーにはない魅力なんです。
R&Bとジャズが混濁したような曲では、達者なスキャットも披露するし、
ユニークなジャズ表現を聞かせていて、可能性をすごく感じていたんだけどなあ。

これまた四半世紀ぶりくらいに聴き直しましたけど、めちゃめちゃ新鮮。
知らない人に聞かせたら、誰も新作だと思っちゃうんじゃない?

N’Dambi "LITTLE LOST GIRLS BLUES" Cheeky-i Productions CPI0827-1 (1998)
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