UKブラックのニュー・クラシック・ソウル名盤 リンデン・デイヴィッド・ホール [ブリテン諸島]
ネオ・ソウルのディスク・ガイド回想話も、今回で最後。
南ロンドン出身のシンガー、リンデン・デイヴィッド・ホールの97年デビュー作です。
これも当時惚れ込んだアルバムで、ヘヴィロテしたんだけど、すっかり忘れていたなあ。
リンデンが06年に、31歳という若さで亡くなってしまったからでしょうか。
次第にリンデンの名を聞くこともなくなり、
このアルバムも、CD棚の奥にしまいっぱなしになっていました。
リンデン・デイヴィッド・ホールは、マルチ・プレイヤーで、
作曲作詞、アレンジ、プロデュースも全部こなす、
才能あふれるUKソウルの新人として登場した人。
前々回・前回で記事にした2枚とは違って、本作は当時も話題を呼びました。
「UKのディアンジェロ」といった紹介をされていましたけれど、
ディアンジェロとは違う資質のシンガーだよなあ。
ファルセットの軽やかさと温もりのあるサウンドは、UKブラックの良さでしょう。
情のこもった歌いぶりに、湿度のあるセクシーさが漂い、酔わせてくれます。
この当時、まだネオ・ソウルというタームはなく、
ニュー・クラシック・ソウルと呼ばれていましたけれど、
間違いなくリンデンは、アメリカのニュー・クラシック・ソウル・シーンへの、
UKからの回答だったことは確かでしたね。
リンデンが血液のガンに侵されて早逝していなかったら、
あれほどの才能、どんな成熟をみせていただろうと思うと、
ためすがえす残念でなりません。
すっかりこのアルバムを忘却していたことを反省して、早速リッピングしましたよ。
お気に入りの定盤として、リンデンの人肌のむくもり伝わる歌とサウンドを、
これからも聴き続けたいと思います。
Lynden David Hall "MEDICINE 4 MY PAIN" Cooltempo 724382316022 (1997)
2023-03-25 00:00
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