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ブラス・アンサンブルで再解釈したモロッカン・シャアビ シェイクス・シカッツ&ビーネット・シャアビ [西・中央ヨーロッパ]

Sheikhs Shikhats & B’net Chaabi.jpg

モロッコ系ベルギー人女性歌手ライラ・アメジアンが率いる
シェイクス・シカッツ&ビーネット・シャアビのデビュー作。

総勢18人のアンサンブルのうち、
歌手やパーカッションを担うメンバーがすべて女性なのは、
19世紀のモロッコで表現の自由のために戦ったシカッツやガナヤットと呼ばれる
女性歌手にオマージュを捧げようという意図が込められているそう。
そして本作は、国際女性デーに合わせてリリースされたんですね。

シカッツやガナヤットという存在を知らなかったので、興味を覚えて調べてみたんですが、
アルファベットで調べてもネットにはまったくないですね。
アラビア語で調べないとダメみたい。
アラビア語で「長」を表すシェイフ Sheikh の語尾に s が付く
シェイクス Sheikhs というグループ名もよくわからず、
ここではオランダ語の発音に従って、シェイクスと書いておきますが、真偽は不明です。

ベルギー人ジャズ・トランペッターのローラン・ブロンディアウを音楽監督に据えて、
サックス2,トランペット2、トロンボーン2、チューバという7管に、
ドラムス、パーカッションというブラス・アンサンブルとなっています。
伝統的なシャアビを題材に作曲したマテリアルを、
ジャズやファンクの手法を取り入れたアレンジによって、
祝祭感に富んだ大衆歌謡のグルーヴを表現しています。

モロッコ現地の砂埃舞う野性味は求められないとはいえ、
ほどよい洗練によって再解釈されたシャアビには、得難い味がありますよ。
なにより女性歌手たちのコーラスが醸し出す華やいだ雰囲気がいいですね。
ぱかんぱかんと叩かれる手拍子が、モロッカン・シャアビらしい祝祭感を表出しています。

Sheikhs Shikhats & B’net Chaabi "SHEIKHS SHIKHATS & B’NET CHAABI" Zephyrus ZEP061 (2023)
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