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ビューティーなピアノ 渡辺翔太 [日本]

渡辺翔太  LANDED ON THE MOON.jpg

渡辺翔太のピアノの美しさは、掛け値なしでしょう。
右手が繰り出すメロディアスで華麗なタッチは、
ありし日のジョー・サンプルを思わせるところもあるもんね。

店頭で聴いて即買った前作から、3年ぶりとなる渡辺翔太の新作。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-09-04
前作同様、ドラムスは石若駿、ベースは若井俊也のピアノ・トリオ。
前作よりグルーヴ感を強く打ち出した楽曲が増えて、
石若が攻める場面も多くなり、石若ファンにとっては嬉しい限りです。

前作はグレッチェン・パーラトと勘違いした吉田沙良がフィーチャーされていたけど、
今作は Ruri Matsumura という人をフィーチャー。
子供ぽい声質と歌いぶりは、ぼくの苦手とするタイプだなあ。
でもまあ、推進力あるトリオの演奏に重点が置かれているから、
幼児性ヴォーカルはあまり気にならず。
シンセやローズ、ウーリッツァーを駆使したサウンドづくりがツボにハマっています。

渡辺の美しいピアノがよく映える、抒情味のあるメロディのオリジナル曲も
見事な出来ばえなら、ゆいいつのカヴァー曲の ‘Smile’ も素晴らしい。
21世紀になってというか、日本では東日本大震災以降、
よくカヴァーされるようになった曲ですけれど、
後半奔放な演奏となるアレンジが斬新です。
岩井の強力なベース・ソロから始まる ‘Table Factory’ も、
3人の存分な暴れっぷりが胸をすきます 。

ヴィブラフォンを模したシンセで弾かれる ‘Correndo Ó Verão’ もいいね。
「夏を走る」というポルトガル語のタイトルから察するに、
サンバにしたかったみたいだけど、ちょっと違っちゃったかな。
オカシなアクセントで叩いているトライアングルがいただけない。
バイオーンじゃないのなら、トライアングルは必要なかった。

渡辺翔太 「LANDED ON THE MOON」 リボーンウッド RBW0029 (2023)
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