現役復帰直後の輝き ハイル・メルギア [東アフリカ]
ハイル・メルギアの新作は、ハイルが演奏活動を再開してまもなくのライヴ盤。
ブルックリンの由緒ある非営利文化センター、
パイオニア・ワークスで16年7月1日に行われたライヴ・パフォーマンスです。
ワシントンDCでタクシー・ドライヴァーとして働いていたハイルの昔のカセットが、
13年にオウサム・テープス・フロム・アフリカによってリイシューされ、
カルト的人気を呼ぶことになるとは、当時本人は想像さえしなかったでしょうね。
まさに青天の霹靂だったはずで、在米エチオピア人に向けて演奏するのではなく、
アメリカ人相手に演奏して喝采を呼ぶことになるとは、
本人にとってオドロキ以外の何物でもなかったでしょう。
ましてや復帰ライヴの記事がニュー・ヨーク・タイムズの一面を飾り、
世界各地のフェスティヴァルに招かれることになるのだから、
人の運命とは分からないものです。
ベースとドラムスによるトリオで、ピアノ、オルガン、アコーディオン、メロディカと
鍵盤類を駆使して、たっぷりと即興演奏を繰り広げるハイルは、
長年のうっぷんを晴らすかのように、イキイキと演奏しています。
ハイルのMCからは、再び演奏を始められた喜びとともに、
新しい観客を得た誇らしさのようなものも感じ取れますよ。
15年にドイツのフィロフォンから出したシングル曲 ‘Yegle Nesh’ を筆頭に、
85年作の “SHEMONMUANAY” から
‘Hari Meru Meru’ ‘Belew Beduby’ の2曲
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2013-07-25
18年作の “LALA BELU” から ‘Tizita’ ‘Anchi Hoye Lene’ の2曲を
演奏しています。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-03-03
ベースとドラムスがすっごくタイトで、ビシッと引き締まった演奏は、
ブルックリンの通のリスナーも大喜びで、めちゃくちゃウケてますね。
現役復帰の輝きがまばゆいライヴ盤です。
Hailu Mergia "PIONEER WORKS SWING (LIVE)" Awesome Tapes From Africa (US) ATFA049 rec. 2016 (2023)
2023-11-24 00:00
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