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バハマに遺されたミンストレル ブラインド・ブレイク [カリブ海]

マス・メディアの発展に伴ってアメリカの大衆文化が成熟していくくとともに、
ミンストレルという存在は、歴史の彼方へと消え去る運命にありました。
文化の中心地から消え去った大衆芸能が、周縁で生き永らえることがままあるように、
アメリカの周縁といえるバハマで歌っていたブラインド・ブレイクは、
ミンストレルの遺産的存在であったように思います。

ブラインド・ブレイクというと、いまではほとんどの人が“Diddie Wa Diddie”のブルースマンの方を
思い浮かべるでしょうが、フォーク・リヴァイバル・ブームの時代にはけっこう脚光を浴びた人でした。
なんせ、ピート・シーガー、デイヴ・ヴァン・ロンク、ジョニー・キャッシュ、ジョッシュ・ホワイトはじめ、
ビーチ・ボーイズまでもが、ブラインド・ブレイクの曲をカヴァーしてたんですから。

当時ブライド・ブレイクのレコードがSPアルバム、10インチ、7インチアルバム、LP(12インチ)と、
さまざまなフォーマットで出ていたことも、人気のほどをうかがわせます。
ぼくの手元にも、3種類の色違いで同じジャケット・デザインのフォーマットがいろいろとあります。

Blind Blake.JPG

そのブライド・ブレイクも、いまやすっかり過去の人。
同名異人のブルースマンの方が有名になってしまいました。
15年前にPヴァインが世界に先駆けてCD復刻した時は、こりゃ珍しいと思ったものですが、
その後フォーク・ブルース・ギタリストのElijah Waldが私家盤として作ったCD-R以外には、
まったく復刻されませんでした。

Blind Blake CD.JPGそれだけに今回、カレン・ダルトンの未発表録音の復刻などアメリカン・フォークの貴重な音源を復刻するフランスのメガフォン・ミュージックが、どーんと28曲を復刻してくれたのは、嬉しかったですねえ。
スウィング感あふれるストリング・バンドの演奏にのるブレイクの歯切れよい歌声を聴いていると、バハマの古謡を歌うバラッド・シンガーとしての特徴を遺していることに気付きます。今回は選曲されませんでしたが、ジャズ・ギターを弾きながらスリム・ゲイラードばりの歌を聞かせるジャイヴぽい曲などもあるので、このあたりは復刻第2弾に期待しましょう。


[LP] Blind Blake "BLIND BLAKE AND THE ROYAL VICTORIA HOTEL CALYPSO ORCHESTRA" Art ALP3
[7インチ・アルバム] Blind Blake "A THIRD ALBUM OF BAHAMIAN SONGS" Art AEP6
[SPアルバム] Blind Blake "SONGS OF THE ISLANDS" Art AL3
[10インチ] Blind Blake "A THIRD ALBUM OF BAHAMIAN SONGS" Art ALP6
[10インチ] Blind Blake "A SECOND ALBUM OF BAHAMIAN SONGS" Art ALP4

[CD] Blind Blake and The Royal Victoria Hotel Calypsos "BAHAMIAN SONGS" Megaphone Music CDMEGA22
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