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ダカールのNo.1 スター・ナンバー・ワン・ド・ダカール [西アフリカ]

Star Number One De Dakar.JPG

セネガルの首都ダカールにあった名門ナイトクラブ「ミアミ」専属のスター・バンドは、
若き日のユッスー・ンドゥールも在籍した、70年代のセネガルを代表する名バンドです。
スター・ナンバー・ワン・ド・ダカールは、そのスター・バンドを脱退したメンバーによって結成され、
ラテン音楽のコピーを脱し、セネガル独自のポップス、ンバラの誕生を促す役割を果たしました。

スター・ナンバー・ワン・ド・ダカールのリイシューCDは、オランダのダカール・サウンドから2枚、
ドイツのポピュラー・アフリカン・ミュージック(PAM)から1枚出ていますが、
今では3枚とも入手困難となってしまったので、
今回シラール・プロダクションからリイシューされた編集2枚組は、
これからナンバー・ワン・ド・ダカールを聴く人にはうってつけの1枚です。

念のため、3枚全部持っているよという、古手のアフリカ音楽ファンのために情報提供しておくと、
全28曲中24曲が重複。びみょーなダブリで、未収録4曲のために買うかどうか悩ましいですねえ。
でもその4曲(ディスク1④・⑨、ディスク2②・③)がなかなかの上物なので、
3枚揃えているような熱心な方なら、やっぱり買いでしょう。

解説も充実していて、当初このバンドが「スター・ヌメロ・アン」と名乗っていたのに、
スター・バンドのオーナー、イブラヒマ・カッセが激怒し、ダカール州政府の調停を受けて
「スター・ナンバー・ワン」に変更したなんてエピソードは、今回初めて知りました。
なんでこのバンドは英語読みなのかと、ずっと不思議に思っていたんですよね。

このバンドって、アルバムごと微妙に名義が異なっていて、
スター・ナンバー・ワン、オルケスタ・ナンバー・ワン・ド・ダカール、ナンバー・ワン・デュ・セネガル、
スターバンド・ナンバー・ワン、ナンバー・ワン・ド・ダカール、ナンバー・ワンなどなど、
フランス語・英語・スペイン語入り乱れて、まあアフリカらしいいい加減さなどと思っていたのですが、
意外にまっとーな理由があったんですね。
スター・バンドのオーナーのカッセにすれば、袂を分かったメンバーたちが、
スター・バンドの精鋭でございといったネーミングをするのは許しがたかったんでしょうけど、
スターの冠があるんじゃ、英語にしたところであんまり変わりばえしない気もしますけどねえ。

さて、本作の解説によると、スター・バンドから大量脱退してバンドを結成したが74年で、
彼らの最初の2作“MAAM BAMBA” “JANGAAKE”ともに74年の作と書かれています。
ダカール・サウンド盤の第1集では72年結成、ダカール・サウンド盤の第2集とPAM盤では
76年結成とそれぞれの解説に書かれていたので、74年結成とは新説の登場ですね。
どれが正しいのやら、ぼくには判断がつきません。

まあ、そんな話は置いといて、あらためてナンバー・ワンが残した録音を聴くと、
セネガル初のポピュラー音楽であるンバラを生み出さんとする時期の熱気が、
びんびん伝わってきて、ゾクゾクしちゃいますね。
ファズをきかせたギターや、乱打されるタマのハードな演奏に、
ラテンの香りをとどめたヴォーカルが乗るという、
ラテン~ンバラ移行期ならではのサウンドが堪能できます。

Star Number One De Dakar "LA BELLE EPOQUE" Syllart Productions 000589
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