ボビー・バレンティンの弟分 オルケスタ・シグァラージャ

懐かしい80年代サルサの名作がＣＤ化されましたよ。
すでに３年前にリリースされていたようですが、
今回再プレスが入ってくるまで、ＣＤ化されていることもまったく知りませんでした。

といってもこのアルバム、世間的にはほとんど知られていないでしょうね。
『サルサ～ラテン・ディスク・ガイド』『米国ラテン米国ラテン音楽ディスク・ガイド50's-80's』
どちらのガイドブックでも、見放されていましたから。
そのせいか、このＣＤを売っていたお店にも
「2007年作とは思えないくらい70年代プエルト・リコっぽい」なんて、
トホホなコメントが付いていました。
じっさいは85年のアルバム。オリジナル盤はブロンコの133番です。

タイトルどおり、ボビー・バレンティンの肝煎りで制作され、
サウンド的にも、ボビー・バレンティンのオルケスタを小粒にしたような感じで、
当時ボビー・バレンティンの弟分的存在のオルケスタとして聴いていました。

85年といえば、ボビー・バレンティンが80年代サルサを代表する大傑作
“ALGO EXCEPCIONAL”をリリースした年。
サルサ・ファンなら、ご存知ですよね。
バリトン・サックス入りの分厚いホーン・セクションが激しくたたみかけ、
豪快にドライヴするオルケスタの急速調なリズムにのって、狂おしく歌うヴォーカル。
ダンサブルと呼ぶにはあまりに重厚なアルバムでした。
あのアルバムで、いったいどんだけ踊ったことか。いやー、燃えたなあ～。

あのアルバムで踊って精根尽き果てたあと、その熱を冷ますかのように、
オルケスタ・シグァラージャを続けて聴くのが、いい流れだったんですよね～。
軽やかなフルートもフィーチャーされるライト級の演奏ながら、
リズムのキレは親分譲りといった感じで、すごく気に入っていました。

このアルバムは、その後ブロンコ以外のレーベルから再発されてたような記憶があります。
確か、その再発盤からは“BOBBY VALENTIN PRESENTA”の文字が消え、
椅子に座っていたボビーの写真も消されていたような…。
親分と喧嘩別れでもしたのかなと思ったのを覚えているんですが、
ＣＤはオリジナルのブロンコ盤とほぼ同じ（タイトル・ロゴを除いて）ジャケットとなっていますね。
でも残念なのは、プチ音が結構目立つ、盤おこしだっていうこと。
ぼくの手持ちのＬＰの方がよっぽど状態が良く、それがなんとも残念であります。

Orquesta Siguaraya "BOBBY VALENTIN PRESENTA ORQUESTA SIGUARAYA" Gizson no number (1985)

コメント 4

昨日は楽しい時間をすごさせてもらいました。
CD-Rまでいただいてしまって恐縮です。

ヘビー級のサルサにはちょっと腰の引けてしまう僕にはこれくらいがちょうどいいかもしれない。探してみます。
by Astral (2010-04-18 19:56) 

オルケスタ・シグァラージャが日本で記事になったのは、ＭＭ誌86年４月号の『サルサ第３世代の刺激的な新譜』だけだったと思います。その後その記事は、河村要助著『サルサ番外地』（筑摩書房）の一番最後に収録されました。と、どーでもいいような事なんですが、なぜかしつこく記憶に残っていますね。
by bunboni (2010-04-18 20:19) 

古い記事へのコメントで恐縮です。つい先日、弟のマイナーなサルサコレクションの棚から拝借してきた20枚ほどのLPの一枚にこれがあって、かけてみるとずいぶん昔にカセットに録音してもらってバンド名もわからないまま何度も聞いた記憶のあるアルバムだとすぐに気が付きました。でも、Siguarayaって何者？とググってみるとなんといつものこのサイトに。昔名前もわからないまま一目ぼれしてしまった彼女が実は近所に住んでいて、数十年ぶりにばったり出会ったような、すこし複雑な気分でありました。ちなみにCDはもうどこにも売ってないようですね。
by Niam Niam (2011-11-16 18:11) 

あはは、面白いエピソード、ありがとうございます。
件のＣＤは出来の悪い盤おこしだったので、ブロンコから正規のＣＤ化を期待したいですね。ただ再発ＬＰがブロンコではなかったので、権利が移動してしまっているのかも。それだと、期待薄でしょうか…。
by bunboni (2011-11-16 20:16)