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いまなおリアルな南アのクワイト [南部アフリカ]

Shana.JPG L'vovo Derrango.JPG DJ Cleo.JPG
Mujava.JPG Mgo.JPG DJ Fresca & Kudoskelem.JPG

ドイツのアウト・ヒアからリリースされた南アの最新クワイトのコンピレーション、
“AYOBANESS!” が大評判のようです。日本でもライスからリリースされ、
ミュージック・マガジン最新号では、なんと10点を獲得していました。

コンピレが好きじゃないうえ、現地盤を優先させるクセが直らないもので、
スルーしてたんですが、10点と聞いては心穏やかではおれません。
あわてて収録曲をチェックしてみたところ、
半分はすでに持っていたアルバムの中に入ってたので、ちょっとホッとしたりして。
あらためて収録曲を聴いてみると、キラー・トラック揃いで、
“AYOBANESS!” の選曲は、美味しいとこどりといえそうです。

上に並べたのが、その“AYOBANESS!” に収録されていた元ネタ・アルバム。
ジョハネスバーグやダーバンのゲットー・ディスコを沸かせている、
現在のクワイト・シーンを飾る連中が勢揃いしています。

ハウスを核にヒップ・ホップやラガをミクスチャーしたクワイトが誕生して、はや15年。
アメリカのヒップ・ホップやジャマイカのダンスホールがとっくに失ってしまった、
ストリート感覚のナマナマしさを持ち続けているところが、クワイト最大の魅力です。

ぼくはラップやヒップ・ホップは苦手なんですけど、
クワイトにはすごく引きつけられます。
クワイトのアシッドなファンク・サウンドには、
厳しい現実で直面する絶望と諦観を、ダンスで浄化しようとする感覚をおぼえます。
それが哀感のあるハウスの四つ打ちと見事にシンクロして、
自己を突き放して踊るような刹那さとも繋がっていてるように思えてならないのです。
もちろんそれは、南アの若者たちにとって抜き差しならない失業問題や、
犯罪と深く関わっていることは間違いありませんが、
そこにこそ、この音楽にリアルな質感を失わない理由があるといえます。

Shana "IYO LONDABA” Universal CDRBL357 (2006)
L’vovo Derrango "L’VOVO DERRANGO” CCP CDCCP(WB)1341
DJ Cleo "ES’KHALENI UNIT 5” Will of Steel Productions CDWOS008 (2008)
Mujava "SGUBHU SA PITORI 3" Sheer Music SHCD106 (2008)
Mgo "NGINAWE” Outrageous CDRAGE(WCPB)018 (2009)
DJ Fresca & Kudoskelem "URBAN TONE SOUNDS SESSION 1” Shelter SHELT006 (2009)
コメント(2) 

コメント 2

Louie

こんにちは!以前フェリクス・ペレス・カルドーソのCD探しの件で書き込みした者です。南アフリカと聞いて黙ってはおれず・・・小学校~中学校の3年間プレトリアに住んでいたので。現地校の寮に入っていて友達がクワイトを聴いているのをよく耳にしていました。CDは持っていませんでしたが、このブログを読んで急に懐かしくなったので購入を検討しようと思います。懐かしい記憶を思い起こさせていただいて感謝しています。
by Louie (2010-06-01 13:54) 

bunboni

うわー、すごいなあ! プレトリアに3年間ですか。
海外体験をすごく豊富にお持ちなんですねえ。
日本から一歩も出ずに、音楽を聴きながら現地を夢想しているだけのぼくからは、
うらやましい限りです。
by bunboni (2010-06-01 22:32) 

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