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ブラジリアン×イタリアン=コスモポリタン リカ・セカート [ブラジル]

Copacabana.jpg   Constelario.jpg

リカ・セカート? なんか聞き覚えのある名前。えーと、坊主刈りの人じゃなかったっけ!?
でも、このCDにはロール・ヘアの金髪女性が写っているので、
ぼくの記憶違いかと思ったら、なんとおんなじ人。
髪を極端に短くしてたのは、“PELE”(99)、“CONSTELARIO”(01)の頃だけだったみたいですね。

リカはサンパウロ生まれのイタリア人。なので、本当はセカートじゃなく、チェカートと読むはず。
リカ・セカートと書かれているのは、ブラジル語の読みなんでしょう。
78年にイタリアでデビューした後、アメリカ、オーストラリア、ドイツと世界を又に駆けて活動していて、
94年のデビュー作はイタリア、2作目はドイツ、3作目はブラジルでリリースしています。
ぼくは3作目の“CONSTELARIO” でリカを知りましたが、
ジャズの素養をはっきりとうかがわせる安定感ある歌いっぷりに、
MPB歌手とは毛色の違う、個性的なシンガーという印象が強く残りました。
のちに、リカがバークリー音楽院に入学し、
「サラ・ヴォーン・ミュージック・アワード」を受賞したと聞き、
なーるほどねとナットクしたことをよく覚えています。

ロメロ・ルバンボやアルトゥール・マイアなど
錚々たるメンバーを従えたインディ盤“CONSTELARIO” は、
のちにメジャー・レーベルから再リリースされたと記憶しているので、
ブラジルでの評価も高かったはず。
リカはパリ、ケルン、リオに住まいがあり、この3都市を拠点に、
世界各国で活動するコスモポリタンな才女ですが、
海外のマーケットを意識している様子がなく、
持ち前のブラジリアン・センスをいかした音楽を、自然体でやっているところがいいですね。
先日来日したジアナ・ヴィスカルジ以上のマルチリンガルの人で、
6ヶ国語が堪能、しかも日本語まで読み書き自在というのだから、びっくりです。

新作は2曲を除き全曲自作という、シンガー・ソングライターとしての面を押し出した作品。
ボサ・ノーヴァの香り高いアクースティックかつジャジーなアルバムに仕上がっています。
バックをかためたメンバーがまた豪華で、ジャズ・ギタリストの重鎮エリオ・デルミーロに、
ロメロ・ルバンボやアルマンド・マルサルなどブラジルの実力者のほか、
ジョン・パティトゥッチ、リシャール・ボナ、ヴァーノン・リード、ロドニー・ホームズといった面々を揃え、
キレと深みのある歌いぶりで楽しませてくれます。

リカは04年、06年、07年、08年とたびたび来日していますが、
ぼくは毎度事後に知るというマヌケぶりで、いまだ観るチャンスに恵まれず(泣)。
近いうちにまた来日してくれることを願っています。

Lica Cecato "COPACABANA" Art Music LICA003 (2010)
Lica Cecato "CONSTELARIO" Mix House/Ouver 1004407-2 (2001)
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