SSブログ

愛のタランテッラ オルケストラ・ポポラーレ・イタリアーナ [南ヨーロッパ]

OPI.jpg

どういうわけだか、ぼくがタランテッラを聴くのは、毎年冬です。
南イタリアの気候を考えれば、真夏の太陽の下の方が似合いそうなものに、
タランテッラのアルバムに出くわすのがいつも冬なもんで、
<タランテッラ=冬>になってしまったというわけです。
で、今年の冬もまた、強烈なタランテッラのアルバムと出会っちゃいました。

民俗音楽学者で作曲家のアコーディオン奏者アンブロージオ・スパラニャが07年に設立したという、
総勢20名を超すメンバーからなる、オルケストラ・ポポラーレ・イタリアーナのデビュー作。
アンボロジオのアコーディオンに、マンドリン、ヴァイオリン、チェロ、ギター、ハーディーガーディー、
バグパイプ、タンバリンなどなど、多彩な楽器が縦横無尽に出入りしながら、
タランテッラの狂騒を繰り広げます。

タランテッラは、毒グモに刺された際に毒を抜くためのおまじないとして踊っただとか、
ダンスが毒グモに指された時の痛みの様子に似ているからだとか、いろいろな言い伝えがあります。
そんな伝説のひとつに、女性たちにとって性欲の解放を示唆するものがあって、
毒グモに刺されたと称して女性たちが狂ったように踊るのは、
性欲を発散させるための、破廉恥な踊りが許されたからだという説があります。
真偽のほどは知りませんけれど、音楽を聴く限り、この説が一番納得感がありますね。

高速タンバリンが刻む6/8拍子にのって、女性歌手が高い声を絞り出すように歌い、
アコーディオンが女性歌手の従者のように伴奏を付ける曲など、
まさに女性解放そのものをイメージさせます。
このアルバムではさまざまな男女歌手が歌い、
野性味あふれるタランテッラのダンス・チューンばかりでなく、
オカリナが吹かれる叙情的な曲などもある、奥行きのあるアルバムとなっています。

Orchestra Popolare Italiana "TARANTA D’AMORE" EGEA MR022CD (2009)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。