ノルウェイのア・カペラ エペレモイア・ソングラグ [北ヨーロッパ]
全編ア・カペラのアルバム、なんていうと地味に思われるかもしれませんけど、
曲ごと表情の異なるカラフルな内容に、一気に引き込まれてしまいました。
エペレモイア・ソングラグと読めばいいのでしょうか。
ノルウェイのア・カペラ女声三重唱のデビュー作です。
トラッド・シンガーと二人のジャズ・ヴォーカリストから成るグループで、
2曲を除いて全曲トラディショナルとクレジットされたレパートリーを聞かせてくれます。
伝統歌集といっても、コンテンポラリーな感覚の北欧トラッドといった仕上がりで、
高度なハーモニーと洗練されたアレンジを施したア・カペラ集となっているんですね。
いかにも北欧らしい純度の高い頭声中心の発声で、
妖気を漂わせる4曲目など、マジカルな魅力にゾクリとさせられます。
リード・シンガーの後ろで、喉歌でリズム楽器や伴奏楽器代わりの効果音を務めたりと、
スリリングかつ実験的なインプロヴィゼーションをまじえながらも、
ユーモアのある3人の歌いぶりには温かみがあって、親しみが持てます。
クアルテート・エン・シーの魅力にも相通じるように思いますね。
ストーリーテリングの楽しさもあり、語り物としての興味もそそられるところですけど、
ノルウェイ語では、残念ながら歯が立ちません。
そのかわり音楽的な興味としては、ブルガリアの女声合唱や、
ホーミーが現れてもおかしくないような場面が出てきてハッとさせられたり、
マレウレウのウポポを思わせるようなところもあったりと、
興味のつきないアルバムとなっています。
ノルウェイにはクヴェディングと呼ばれる伝統的なア・カペラのスタイルがありますけれど、
3人のア・カペラは、クヴェディングを現代化させたものといえるのかもしれませんね。
Eplemøya Songlag "EPLEMØYA SONGLAG" Norcd NORCD1091 (2010)
2011-06-10 00:00
コメント(0)
コメント 0