気分はカリビアン・サマー・ブリーズ パトリス・ユルマン [カリブ海]
今年の夏休みは返上。
夏のリゾート・ミュージックで、海辺のドライヴやクルージング気分を味わって、ガマンです(泣)。
シャキシャキと歯切れのよいリズム・ギターと涼しげなシンセが生み出すズークは、
80年代後半に大流行した懐かしのレトロ・サウンド。
これほど典型的なズークを聴くのは、ほんとひさしぶりです。
ズークなんてと思っている方は多いでしょうし、ぼく自身もズークにはアキアキしてましたけど、
さすがに四半世紀も過ぎると、ひとつのジャンルとして定着して、
なかにはこういう良質のポップ作を見つけることもできるわけですね。
かつてのカッサヴのような重低音の利いたデジタル・サウンドや、
シンセ中心の厚ぼったいプロダクションのズークではなく、
小回りの利いたスペースを生かしたサウンドが、とびっきりさわやかに響きます。
主役のパトリス・ユルマンの若々しく伸びのあるヴォーカルも、涼感すっきり。
グアドループ島のホープと謳われるのもナットクの、いいシンガーです。
フックの効いたサビが冴えたキャッチーな1曲目なんて、ヒット性高しですね。
ハイチ音楽ファンとしては、6曲目のコンパにも泣かされます。
80年代みたいなシンセの音も涙がちょちょぎれますが、キレのあるドラムスとともに、
ロックぽいギターやラップをぶちこんだイキオイのあるサウンドは、
コンパの充実期をホウフツとさせます。
難はジャケットでしょうか。
スキンヘッドのパトリスを真っ正面から捉えたこのジャケ、
清涼感いっぱいの音楽にあまりにそぐわないというか、
わざわざ売上げ落とすようなマネして、どーすんでしょう。
ジャケに戸惑われた方、中身は極上のフレンチ・カリブAORです。
Patrice Hulman "ON NOUM" Aztec Musique CM2293 (2010)
2011-07-16 00:00
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