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ボサ・ノーヴァ伝説の男の復活作 ノルマンド ・サントス [ブラジル]

Normando Santos Balanco Com Bossa.JPG   Normando Santos 日本.JPG

日本盤が出ましたか!
さすがは世界一ボサ・ノーヴァ好きの日本、名盤を見逃しませんでしたね~。
ボサ・ノーヴァ最後の大物ノルマンド・サントスが、2009年にひっそり自主制作で出した復活作。
こんなすばらしいアルバムが、なんで自主制作のCD-Rでしか出せないんだと、
リリース当時はフンガイしたものですが、いやー、ほんとによかった。

ボサ・ノーヴァの良さを本当に理解している人なら、
老いさらばえた声をさらすジョアン・ジルベルトより、
永遠の青年ぶりを示すノルマンドのみずみずしい歌声の方が、百倍いいとすぐわかるはず。
ジョアン・ジルベルトを神棚にまつりあげるようなマネはやめて、
こういう良質のボサ・ノーヴァ作品を、ちゃんと聴きましょう。

ノルマンド ・サントスは、
歴史的な62年のカーネギー・ホールのボサ・ノーヴァ・コンサートにも出演した人。
ロベルト・メネスカルやルイス・カルロス・ヴィーニャとバンドを結成し、
ヴィニシウス・ジ・モライスやロナルド・ボスコリ、ビリー・ブランコとも共作をするなど、
ボサ・ノーヴァ・ムーヴメントの中心人物の一人でした。
ノルマンドが書いた曲は、マイーザはじめペリー・リベイロやウィルソン・シモナールなど、
多くのシンガーに取り上げられましたが、ブラジルではアルバムをついに残さないまま、
64年、パリへ移住してしまいました。

そんなノルマンドがボサ・ノーヴァ50周年を機に、
ブラジルでひっそりとカムバック&初アルバムを録音していたんですね。
ロベルチーニョ・ド・レシーフェがプロデュースをしているのを意外に思ったら、
ノルマンドはレシーフェ生まれとのこと。同郷のよしみでロベルチーニョが起用されたんでしょうか。
ロベルチーニョがボサ・ノーヴァのアルバムのプロデュースをしたなんて聞いたことがないですけど、
実にオーソドックスなサウンドのボサ・ノーヴァ・アルバムに仕上げてくれました。

オープニングを飾るタイトル曲から、華やいだ女性コーラスをあしらい、
ノルマンドのダンディな色気たっぷりの歌声に、多くの淑女がメロメロになることうけあいでしょう。
60年前後のヴィンテージな香り高いサウンドに、ゾクッとさせられます。

チューリップ一輪を手に歌うノルマンドの写真をあしらったジャケットが、
あの時代のボサ・ノーヴァのムードを伝えていて気に入ってたんですけど、
日本盤のオシャレなジャケットに変えたのは、まあ仕方ないところでしょうか。

半世紀前のボサ・ノーヴァをそのまま真空パックしたような奇跡的な傑作、
これからの季節の夜長には絶好です。

Normando Santos "BALANÇO COM BOSSA" Light no number (2009)
ノルマンド・サントス 「バランソ・コン・ボッサ」 プロダクション・デシネ VSCD9392
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