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新旧が融合する都市ビルバオで ケパ・フンケラ [南ヨーロッパ]

Kepa Junkera  Ultramarinos & Coloniales.JPG

スペイン、バスク州ビスカヤ県の県都ビルバオは、
歴史的な旧市街と近未来的な建造物の新市街が見事に融合された都市と聞きます。
古くからの絵画好きにとっては、ビルバオ美術館でなじみのある地名で、
97年にグッゲンハイム美術館がオープンしたこともあって、
一度は行ってみたいなあと思っているんですけれども。

そんなビルバオのミュージシャンたちと制作したケパ・フンケラの新作が届きました。
ここのところ、世界各地のミュージシャンとのコラボが続いていたケパですけれど、
地元バスクの地に戻ってきた新作は、豪華ゲストの大作続きだった近作とがらり変わって、
ケパのトリキティシャ(ダイアトニック・アコーディオン)に、
ベース、ドラムス、キーボード、チャラパルタ兼パーカッション二人というシンプルな編成。

たった6人の編成とはいえ、演奏には厚みがあり、
バスクの伝統に根差したケパの世界観が今作でもしっかりと表現されている点で、
これまでの作品とケパの姿勢は、まったく変わっていません。
バスクのコンテンポラリー・ルーツ・ミュージックと呼ぶにふさわしいケパの音楽世界は、
ちょうどガリシアのカルロス・ヌニェスと同じ志向を持っているといえますね。

本作は全12曲ケパの自作で、インスト演奏。
バスクの伝統を感じさせる美しく雄大なメロディに、モダンなアレンジとプロダクションは、
あらゆる音楽ファンにアピールする魅力をたたえています。
もちろんバスク音楽ファンにとっては、
プリミティヴなマリンバのようにも響くリズミカルなチャラパルタの音色がたまりません。

新旧が融合した独創的な景観を作り出す都市ビルバオは、
まさしくケパ・フンケラの音楽そのものといえそうです。

Kepa Junkera "ULTRAMARINOS & COLONIALES" Warner Music 52498 7065 2 (2011)
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