エイジ・エイント・ナッシング・バット・ア・ナンバー ボビー・ラッシュ

よくぞ、来てくれた、ボビー・ラッシュ。
1999年の初来日は仕事の都合でどうしても見に行けず、
以来、ずーっと東の空に向かって、
「おーい、また来てくれよー」と叫び続けていたのです（嘘）。

願いが叶うまで、13年もかかっちゃいましたけど、むしろ今が最高のタイミングの再来日。
なんせ去年の新作“SHOW YOU A GOOD TIME” が、
いまもチタリン・サーキットで活躍する現役ブルース・マンとして、
圧倒的な存在感を示した快作でしたからねえ。期待ワクワクで、4月20日を迎えましたよ。

ビルボードライブ東京２日目のセカンド・ショウ。最終ステージを観たんですけど、
ラッシュ、若っ！　ほんとに76歳!?　どー見たって、60ぐらいにしか思えん。
ぜんぜん太ってないし、黒々とした髪も豊かなら、身のこなしも軽くって、カッコよすぎ。
女性ダンサーが来てないので、ラッシュお約束のエロな芸風は楽しめませんでしたが、
一挙手一投足キマってるブルース・ショウをたっぷり100分、堪能させてくれましたよ。

サポートはギター、ベース、ドラムスの、コンパクトなスリー・ピース。
ギターの若いおデブちゃんは、でしゃばりすぎず、かといって控え目でもなく、熟達した技を披露し、
ギターを放り投げ、ストラップでくるりと身体を一周させる決め技で、客の拍手を誘います。
ラッシュよりも明らかに年上なご老人ドラマーは、力の抜けたしなやかなビートを送り出し、
ヴェテランの妙味たっぷりのプレイに、カンゲキしちゃいました。歌もいい味出してましたね。
チタリン・サーキットでいつもやっているメンバーなんだろうな。コンビネーションもばっちりで、
アイ・コンタクトでブレイクを決めたり、さっと次の曲へ移って行く繋ぎも、実に鮮やか。

そしてラッシュはといえば、のっけからハープを吹きまくり、
歌舞伎の見得よろしく、ポーズを決めてハープ片手にピタリと静止させてみせたり、
チャーチ・フィールのプリーチャーばりな歌と語りで、観客をぐいぐい引き付けていきます。
中盤で２曲、エレキ・ギターでワン・コードのブルースをシブく弾き語り。
スロー、シャッフル、シカゴ・スタイルのフォービート、ブギ・ビート、ファンク・ブルースと、
どんなスタイルもラッシュ流に料理して、最上級のエンターテインメントに仕立ててみせます。

フィナーレでは、１階の客席を奥まで練り歩いて、観客ひとりひとりと握手するラッシュ。
ブルース・エンタテイナーという黒人芸能の最良の在りようを目撃していることに、
胸が熱くなりましたね。
終演後一緒に撮った写真も、サービス精神たっぷりのポーズをキめてくれていて、脱帽です。
いやあ、楽しかったー。こんなに気分が解放されたのは、ひっさびさですよ。

Bobby Rush "SHOW YOU A GOOD TIME" Deep Rush DRD1006 (2011)

コメント 4

初めてコメントさせて頂きます。例のアフリカ音楽のSPをまとめてボックスにしたセットの記事を読んで以来、ずっとこのブログを愛読しています。今回のボビー・ラッシュの　ステージ、僕は初日の1回目のステージを見たのですが、その時に感じたことがそのまま今回の記事に書かれておりとても驚きました。貰ったサインも同じCD、さらに僕の名前もKazuhiroなので！！ Billboard Liveは素敵な会場ですが、食事が豚の腸詰にライス・アンド・ビーンズだったら言うことなし！だと思いました。毎回更新を心から楽しみにしています・・・・
by なる (2012-04-24 21:27) 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
ラッシュ、良かったですよねえ。
最初、ダンサーが来ていないと知って、
なんだぁ、とテンションが↓　になったんですけど、
ショウが始まったら、一瞬気落ちしたことも忘れ、夢中になっちゃいました。
これからもどうぞごひいきに。
by bunboni (2012-04-24 21:37) 

おひさしぶりにのぞいたらビルボードライブ行かれたのですね
私は明日行きますが軟派なわたしはこれ
ビッグ・ダディ・ケイン with special guest カーティス・ブロウ
おたがいエイジ・エイント・ナッシング・バット・ア・ナンバーで行きましょうね
by かいちょう (2012-04-25 10:24) 

ひさしぶり～。
あいかわらずライヴに通っているようで、お元気のようですね。
ラッシュみたいな人を観ると、年取ったことを言い訳にするのが恥ずかしくなります。
by bunboni (2012-04-25 20:33)