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ザグラダの響き ラウール・ジュルノ [中東・マグレブ]

Raoul Journo  TRESORS DE LA CHANSON JUDEO-ARABE  Melodie.JPG   Raoul Journo  CHANSONS ET TRADITIONS TUNISIENNES  NFB.JPG

ユダヤ系モロッコ人歌手サミー・エル=マグリービを聴いていたら、
アラブ・アンダルース音楽がまた聴きたくなって、
チュニジアの名歌手ラウール・ジュルノのCDをひっぱり出してきました。

ラウール・ジュルノはサミー・エル=マグリービと同じユダヤ人歌手。
フランス、メロディーの「ユダヤ・アラブ音楽の至宝」シリーズで初めて聴き、
伸びのある美声とこなれたこぶし回しにすっかりまいって、忘れられない名前となりました。
マグレブ諸国の中でもっとも早くアラブ・アンダルース音楽が隆盛したチュニジアで、
戦前から活躍してきた人です。

チュニジアの戦前の名歌手ではシェイフ・エル=アフリートがいますが、
ラウール・ジュルノはもっとあとの世代で、アラブ音楽の影響を強く受けているところは、
モロッコのサミー・エル=マグリービとも共通するセンスの持ち主といえます。
メロディ盤ではエジプト映画音楽の雰囲気を感じさせるメロディも随所に出てきますけれど、
曲の合間に舌を激しく動かしてカン高い叫び声をあげる女声のザグラダが飛び出したりして、
強烈なマグレブ臭を撒き散らせるところが、また魅力なんですね。

マグレブ臭という点ではNFB盤が秀逸で、イントロとエンディングに
♫オロロロロロロロロロロロイーーーーーーー♫と、ザグラダをフィーチャーした曲がずらり。
歓喜と祝福を示す女性たちの叫びに、エキゾティックなムードが一層掻き立てられます。
メロディ盤とNFB盤ともに甲乙つけがたい傑作選となっていて、
ラウール・ジュルノの魅力を堪能するのに最高のアルバムです。

ところで、今回のフランス、ブダの「ユダヤ・アラブ音楽の至宝」シリーズでは、
ラウール・ジュルノは出ないんですかね。ぜひ企画してもらいたいなあ。

Raoul Journo "RAOUL JOURNO : TRÉSORS DE LA CHANSON JUDÉO-ARABE" Mélodie 79104.2
Raoul Journo "CHANSONS ET TRADITIONS TUNISIENNES" NFB NFB160853
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