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知られざるジャズ・サンバ良作 ジュアレース・アラウージョ [ブラジル]

Juarez e Seu Conjunto  BOSSA NOVA NOS STATES.JPG

次から次へと続くジスコベルタスのリイシュー、
嬉しい悲鳴と言いたいけれど、財布の底も抜けてしまって(泣)。
資料性十分なライナーや、シングル曲をボーナス・トラックとして追加するなど、
毎度その丁寧な仕事ぶりには頭の下がる思いですけど、
ここ最近のリイシューCDには、マスターテープ不良によるノイズや
音ゆれがあったりするのは困りもの。

ちょっと前にリリースされたヴァルテル・ヴァンダルレイの4枚組ボックス2巻の中にも、
かなりひどい音ゆれがありました(1巻目最初の2枚の最終トラック)。
せっかくのリイシューも、これでは価値が半減してしまいます。
マスタリングの音質チェックも怠りなくお願いしたいですね。

最近のリイシューで驚かされたのは、
北東部ペルナンブーコ出身のサックス奏者ジュアレース・アラウージョが、
マスタープレイというマイナー・レーベルへ62~63年に残したジャズ・サンバ作。
こんなレコードがあったことじたい知りませんでしたけど、
『ボサノヴァ・レコード事典』にも載っていないシロモノなので、ぼくが知らないのも当然。
ほとんど掘り尽くされた感のあるジャズ・サンバに、まだこんな名作が残されていたとはびっくりです。

特に気に入ったのが、“BOSSA NOVA NOS STATES”。
メンバーが豪華で、ギターにネコ、ピアノにテノーリオ・ジュニオール、
トロンボーンにネルソン・サントスという名手が参加。
ネコとテノーリオ・ジュニオールのソロもたっぷりと聞けるほか、
ネルソン・サントスとの二管による息の合った演奏も鮮やか。
77年のエリゼッチ・カルドーゾ初来日でバックを務めたネルソンのプレイが、思わず甦りました。
本当にブラジルはトロンボーンの名手が多いですよねえ。

本作が全体にボサ・ノーヴァ色が強いのに対し、前作にあたる“O INIMITÁVEL JUAREZ” では、
前半がパンデイロ、タンボリン、アゴゴなどサンバの打楽器を強調したジャズ・サンバで、
後半はラウンジ・タッチのフォービート・ナンバと、アルバムの統一感がいまいちな印象。
一方、63年の“MASTERPLAY GOES TO NEW YORK” は、
アメリカ向けに全曲アメリカン・スタンダードをジャズ・サンバにアレンジした意欲作。
セカンド同様の好盤といえますが、演奏内容はセカンドに一歩及ばず。
ピアノがテノーリオ・ジュニオールでないのも残念だったかな。
ちなみにマスタリングの仕上げも本作が一番で、音質もクリアです。

Juarez e Seu Conjunto "BOSSA NOVA NOS STATES" Discobertas DB128 (1962)
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