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古き佳き時代のセンスで ニーナ・ヴィルチ [ブラジル]

Nina Wirtti  JOANA DE TAL.JPG

洒落たジャケットと古いサンバの選曲に、
ノスタルジックな意匠をこらしたアルバムなのかなと思ったら、
それほど懐古調な演出は強調しておらず、
趣味のいいショーロ風味のサンバ・アルバムに、即お気に入りとなっちゃいました。

これがデビュー作というニーナ・ヴィルチ。
気負いを感じさせない素直な歌いぶりが気に入りました。
ノエール・ローザ、ルピシニオ・ロドリゲス、アロルド・バルボーザ、
ボロロー、ガデーの古いサンバに、
ギリェルミ・ジ・ブリート、ウィルソン・モレイラ、
ペドロ・アモリン、マルコス・サクラメントなど
新しめのサンバを織り交ぜながら、温かみのある声で丁寧に歌っています。

7弦ギター、ベース、バンドリン、アコーディオン、パーカッションに、
曲によりクラリネットやトランペットが加わるという布陣で、
古き佳き時代のサンバの味わいを、さわやかに再現しているんですね。
古いサンバ好きには、こういうサロン風なサンバ/ショーロは格別ですよ。

なかでもノスタルジックな雰囲気に仕上がっているのが、ノエール・ローザ作曲の2曲目。
この曲は聴いたことがありませんでしたが、
フォー・ビートにアレンジしたシャレた仕上がり。
ノエール・ローザの曲はずいぶん聴いているつもりでしたけれど、
知られざる佳曲がまだまだあるんですねえ。

ショーロ・スタイルの、音数の多い早口ヴォーカルを披露してくれたのも楽しい。
こういう趣味のいい選曲をしたのがニーナ自身なのか、
プロデューサーなのかはわかりませんが、
半世紀以上昔のサンバの感覚が、新人女性歌手の歌に無理なく活かされているところに、
ブラジル音楽の懐の深さというか、頼もしさをおぼえますね。

Nina Wirtti "JOANA DE TAL..." Fina Flor FF041 (2012)
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