SSブログ

ポップ・モーラム漫談 ドークオー、ソーンとカーントーン [東南アジア]

Dok-Or, Sorn & Karnthong  MUN MUAN ZABB.JPG

「3年目の浮気」のコンビでおなじみヒロシ&キーボーのタイ版こと
ソーン・シンチャイとドークオー・トゥントーンの二人に、
ドークオーの妹カーントーンが加わって三人組となった新作。
グラミー制作のポップ・モーラム、絶好調ですねえ。

Sorn & Dok-Or  POR PARN GUN.JPG   Sorn & Dok-Or  NOOM BARN HAO SAO RONG NGARN.JPG

ソーン・シンチャイとドークオー・トゥントーンのコンビは、
去年1年遅れで11年の前作を初めて聴き、さかのぼって07年の前々作も聴きましたが、
今作がもっともモーラム度も高く、充実した内容になったんじゃないでしょうか。
前作“POR PARN GUN” を聴いて気付かされたのは、
2012年のポップ・モーラムの金字塔、
インリー・シーチュムポンの“KA KAW SAO LUM SING” の
プロトタイプともいえる内容になっていたことでした。

アレンジがそっくりなうえ、サックス、ケーン、ピンの聞き覚えのあるフレーズも飛び出すので、
同じミュージシャンが起用されているのは間違いないはず。
楽曲も似通っているので、作曲家陣まで同じかも。
PVを観てみたら、コンサート会場のMC役の役者さんも、インリーのと同じ人でしたよ。
コミカルな掛け合いあり、しんみりしたスローなルークトゥンありで、
この路線を徹底させたのが、インリーのあのアルバムであったことがよくわかります。

ソーン&ドークオーのコンビは、インリーほどロッキンなポップ・モーラムではなく、
07年作・11年作とも田園ムードのルークトゥンぽい曲がまだ多かったですね。
モーラムでこそ実力を発揮する二人にとっては不完全燃焼ぽかったですが、
今作はコミカルな男女の漫談ふうの曲や、3人が縦横に掛け合う曲がぐっと増え、
語り物芸であるモーラムの節回しをたっぷりと披露しています。

Dok-Or & Karnthong   UEY-NONG RONG RUM.JPG

今回はドークオーの妹、カーントーンも加わりましたが、
姉妹ともに歌の実力が確かなことは、去年のデュオ作“UEY-NONG RONG RUM” で証明済み。
ドックオーの鋭く芯に硬さのある歌声に対し、カーントーンは柔らかくふくらみのある歌声で、
ドークオーの方がややキーが高いという違いも生かしつつ、
息のあったところを聞かせていました。

人の良さそうな優男が役どころのソーンも、鼻にかかった声で巧みにこぶしを回します。
伝統モーラムの唱法をしっかりと備えた3人によるモーラム歌謡は、
大衆味いっぱいながら下世話すぎもせず、健康的。
庶民的なタイ歌謡の楽しさいっぱいのアルバムです。

Dok-Or Toongtong, Sorn Sinchai & Karnthong Toongngern "MUN MUAN ZABB" Grammy G0556969 (2013)
Sorn Sinchai & Dok-Or Toongtong "POR PARN GUN" Grammy G0554072 (2011)
Sorn Sinchai & Dok-Or Toongtong "NOOM BARN HAO SAO RONG NGARN" Grammy G0550075 (2007)
Dok-Or Toongtong & Karnthong Toongngern "UEY-NONG RONG RUM" Grammy G0555093 (2012)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。