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真夏の夜のジャズ ボビー・ハッチャーソン [北アメリカ]

Bobby Hutcherson  OBLIQUE.JPG

ゲイリー・バートンの新作をヘヴィー・ローテーションにしてひと月。
さすがにスリルがなくなって、ちょっとひと休みと棚にしまったものの、
ヴァイブの音色に後ろ髪を引かれ、代わりに取り出したのがボビー・ハッチャーソンの“OBLIQUE”。
ひさしぶりに聴いたんですが、これがまた良くって、ヘヴィー・ローテーション再燃。

う~ん、やっぱ、これ名盤ですよねえ。
ボビー・ハッチャーソンといえば“HAPPENINGS” が代表作ですけれど、
ぼくはどうしても“OBLIQUE” の方に手が伸びてしまうなあ。
“HAPPENINGS” のどっしりと構えたクールな演奏とは対極の、
火傷しそうな熱演がぎゅーづめのアルバムです。

66年録音の“HAPPENINGS” 同様、ハービー・ハンコックのピアノに、
ジョー・チェンバーズのドラムスで、ベースだけアルバート・スティンソンに交替しているんですね。
ハッチャーソンとハンコックが鍵盤を叩きまくるタイトル曲での激情プレイは、
何度聴いても手に汗握ります。モーダル・ジャズの頂点を示した演奏じゃないでしょうか。
ハンコックは十八番のさざ波奏法ばかりでなく、持てるワザすべてを繰り出して弾きまくっていて、
こんなにホットなハンコック、めったに聴けるもんじゃありません。
彼のベスト・プレイのひとつじゃないかしらん。
ボサ・ノーヴァあり、ジャズ・ロックあり、前衛ありのマテリアルの多彩さも魅力です。

このレコードは長年お蔵入りだったもので、
79年にキングから世界初登場シリーズの1枚として出たんですけど、
あのシリーズには本当に驚かされました。
なんでこれがお蔵入りだったんだと首を傾げたくなる名作が目白押しで、
ブルー・ノートのクオリティの高さに、あらためて感嘆させられたものです。

“OBLIQUE” の初リリース時の日本盤は、
60年代後半のブルー・ノート盤のようなデザインでしたけれど、
05年に本国アメリカでCD化された時は、60年代前半のブルー・ノート盤に
よく使われたタイポグラフィでデザインされていたのが嬉しかったな。
真夏の夜に聴くのにぴったりな、納涼アルバムです。

Bobby Hutcherson "OBLIQUE" Blue Note 7243 5 63833 2 6 (1967)
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