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冬のシャバービー バッシマ [中東・マグレブ]

Bassima  HELM I TOYOUR.jpg

冬になるとなぜか聴きたくなるシャバービー。
なにかいい新作はないかしらんと探していたら、
意思のこもった瞳、何事かを訴えかける口元、柔らかに広がる金髪、視線を奪う胸の谷間、
その美麗なるジャケットに、手が止まりました。

レバノンの中堅女性歌手バッシマの新作とのこと。バッシマという人を知らなくて、
あとで調べてみたら、盛り盛り金髪のケバい容姿で売ってた人。
あー、この人ねぇ、と見覚えのあるジャケットの数々に、
これまでご遠慮させていただいていたことを思い出しました。
ご本人のルックスばかりでなく、デザインの色使いもヤボったかったのが、
今作の薄化粧でシックに仕上げたジャケットの洗練ぶりは、見違えました。

で、初めて聴いたバッシマ嬢、アダルトな雰囲気を持った落ち着きのある歌声に、
いっぺんでトリコになりました。控えめなこぶし使いも、もろぼく好みです。
2曲目のすがりつくような歌いぶりなんて、ゾクゾクもの。
大人ぽいチャーミングさとコケティッシュさをあわせ持った魅力に、まいっちゃいました。
ぼくの大好きなチュニジアのアマニの声と、そっくりじゃないですか。

泣きのメロディをふんだんに取り入れた哀愁路線の楽曲も粒揃いなら、
生音中心のプロダクションに、控えめなエフェクトを施したサウンドも効果的。
流麗な弦オーケストラが華やかに演出するアレンジもバツグンです。
わずか6曲30分にも満たない収録時間で、
もっと聴きたいと思わせるところは、好盤の証明ですね。

新作と思っていたのは勘違いで、なんと6年も前の08年作。
バッシマは99年にデビュー作を出して、これが6作目とのこと。
これ以後のアルバムは、まだ出ていないようです。
やっぱりシャバービーは、この頃が一番充実していたのかもしれませんねえ。
アラブの春で失速したシャバービーの、旧作聴き逃しの一枚でありました。

Bassima "HELM I TOYOUR" Rotana CDROT1444 (2008)
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