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アフリカ・ヨーロッパ・カリブ海の三角関係 コンゴレーロ [中部アフリカ]

Congolero.jpg

なんとも購買意欲を削がれる、ヤスっぽいジャケット・デザインなんですが、内容はゴキゲン。
正直、偶然耳にしなかったら、ぼくも買おうとは思わなかったろうなあ。
コンゴ共和国(ブラザヴィルの方ね)のサルサ・クレイズ3人のシンガー、
ウィリー・マノロ・モレーノ、ダヴィ・アメリカーノ、エディ・ソネーロによるアフロ・サルサ・アルバム。
タイトルもすばり『ハバナからブラザヴィルへ』。

ロス・バン・バン以降のキューバン・サルサ、特にティンバ系に背をそむけているぼくですけど、
アフロ・サルサなら聴くってのは倒錯じゃないかって?
いやいや、ティンバ系のサウンド自体には、別に抵抗はないんですよ。
ティンバって、がなる歌い方をするシンガーがやたら多いんで、それを嫌ってるんです。
女性シンガーにその傾向が顕著で、セリア・クルースが草葉の陰で泣くっつーもんでしょう。
なので、ヴォーカルがサルサ・マナーでマトモに歌っているのなら、ぜんぜんオッケー。
じっさい、初期のクリマックスとかは大好きでしたから、ハイ。

で、これも、お店で流れてるのを聴いて、お、いいじゃん!と反応したっていうわけ。
典型的なティンバ系のサウンドで、メレンゲのアレンジも斬新で楽しめます。
アフロ・サルサならではの、アニマシオン入りのモントゥーノが燃えますねえ。
ジャジーなバラーダや、ラストのピアノのみをバックに歌った曲まで、
ポップなカリブ系ダンス・ミュージックとしてのアフロ・サルサを楽しめます。

いまやこのテのサウンドを聴いても、キューバ音楽とは別物の、
ダンス・ポップと割り切って聴けるようになったので、抵抗感も昔ほどじゃなくなりました。
それに本作の場合、じっさい演奏しているのがキューバ人じゃないんですね。
サウンドのキーマンであるピアニストは、マルチニークのエルヴェ・セルカル。
エルヴェは全曲の作曲・アレンジのほかめ、プロデュースにも関わっています。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2013-06-09
さらにベースは、グアドループのティエリー・ファンファンですよ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-05-07

パーカッションのマンスフォールド・アブラハム・ロドリゲスだけがキューバ人のようですけど、
コンゴレーロはアフリカ人とフレンチ・カリブ出身者が
パリでタッグを組んだユニットといっていいのかな。
考えてみれば、半世紀昔のグラン・カレの時代から、
アフリカ・ヨーロッパ・カリブ海の三角関係で音楽が作られている構図は今も変わらないわけですね。

Congolero "DE LA HABANA À BRAZZAVILLE" Poker Production no number (2013)
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