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真摯なブルーズン・ソウル・マン ロバート・クレイ [北アメリカ]

The Robert Cray Band  In My Soul.jpg

けっきょく、いつのまにかトリコになっちゃうんだよなあ。

ロバート・クレイの新作を買ってふた月。
最初聴いて、「よく出来てるなあ」というクレイのアルバムではありがちな感想を抱いただけで、
ブログの記事を書こうというほどの熱は、正直、沸き上がりませんでした。
一緒に買ったのが、テイル・ドラッガーとジョン&シルヴィア・エンブリーという、
とびっきり熱いブルース・アルバムだったので、
なおさらクレイのアルバムは、ツカミが弱く感じてしまったんですね。

と、いいながらも。
クレイのなめらかなヴォーカルは円熟味にあふれ、なんともいい味を出しているし、
エモーショナルなギターも緩急自在で申し分ありません。
けっきょく何度となくCDに手が伸び、トレイにディスクを入れては、
繰り返し聴いている自分に気付くのでした。

やっぱ、いいわ。ロバート・クレイ。
ブルースやソウルの先達から受け継いで、こつこつと自分のスタイルを深めてきた真摯な姿勢が、
カヴァーにもオリジナルにも、存分に発揮されていて、
聴けば聴くほどにじわじわと味わいが増します。

終盤のスローのゴスペル・ブルースでの丁寧な歌いぶりは、
この人の誠実さがこぼれんばかりとなっていて、ほろりとさせられます。
こういうふうに、そっと人に寄り添ってくれる優しさを感じさせるブルースマンって、
クレイしかいないんじゃないかと、今ようやく気付きました。

アクはないし、どうプレイしても抑制が利いていて、
どこか優等生体質を感じてしまうクレイですけれど、
そんなマジメさがにじみ出る彼のブルーズン・ソウルは、
自分のやるべきことを、地道に積み重ねてきた者だけに備わる、ゆるぎない強さがあります。

“Phone Booth” 以来のファンとしては、
聴き続けてきて良かったなあと満足感でいっぱいの、クレイの新作であります。

The Robert Clay Band "IN MY SOUL" Provogue 7436-2 (2014)
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