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リモンのカリプソニアンたち [中央アメリカ]

Calypso Limon Legends.jpg

コスタ・リカのカリプソ第2弾。タイトルは『カリプソ・リモン・レジェンズ』。
いわば、「リモンの伝説のカリプソニアンたち」というわけですか。う~ん、かっこ良すぎる。
そのレジェンドとは、市場の魚屋、プロの野球選手、
船の機関士、仕立屋、マグロ漁船の漁師の5人。
それぞれ仕事のかたわらカリプソを歌ってきたという、60~70代の強者たちです。

5人は自作のカリプソに、古いカリプソやマイティ・スパロウの曲、
“You Are My Sunshine” といったポピュラー・ソングも交えて歌っています。
地元リモンではなく、首都サン・ホセのクラブでライヴ録音されたもので、
お客さんの反応も温かく、すごくいいムード。
伴奏のカリプソ・ジャズ・バンドは、バンジョー、ギター、たらいベースのキホンゴ、
各種打楽器にピアノという編成で、ジャズとは名ばかりのメント・バンドみたいなものですね。
ニュー・オーリンズ・スタイルのピアノがベスト・マッチングですよ。

じっさい、歌と演奏もメントぽいというか、
即興の歌詞で観客をわかせるようなカリプソの攻撃性は感じられず、
もっと民謡ふうというか、カリブの古謡を聴くような味わいがあります。
ピアニストのマヌエル・オブレゴンとカリプソ研究家のマヌエル・モネステルが
音楽監督を務めているだけあって、観光客相手のメント・バンドのように、
脱力しすぎて締まりが悪くなる心配もなし。締めるところは締め、
歌やコーラスにもハリがあり、イキイキとした歌と演奏が楽しめます。

メンバーのプロフィールを読むと、パナマから渡ってきた者あり、
ニカラグアでバンドをやっていて、カリブの島々を巡った末にリモンにたどり着いた者ありで、
カリブのさまざまな土地のスタイルが自然とミックスされているようです。
カリブの古層に触れたその音楽は、ほがらかな笑顔がこぼれるポップさでいっぱいです。

Manuel Obregón & Manuel Monestel with the Calypso Jazz Band "CALYPSO LIMÓN LEGENDS" Papaya Music no number (2006)
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