ツァピキの結晶 テタ [インド洋]
潮騒の響きと超絶技巧のギターが鮮烈だった、
マダガスカル南部ツァピキのギタリスト、テタのデビュー作。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-11-21
3年のインターバルを経てリリースされた2作目は、
前作同様、テタのギターと歌をクローズ・アップしたアルバムに仕上げられています。
キラソア・ノメンジャナハリーがバッキング・ヴォーカルと小物打楽器を奏するほかは、
1曲でアコーディオンがゲストに加わるのみというシンプルさで、
その一貫した制作姿勢には潔さを感じますね。
ツァピキの魅力を広く世界に紹介する、フランス生まれのマダガスカル人プロデューサー、
フランソワ・バラフォマンガの仕事です。
自在に指盤を飛び回りながら、弦を爪弾くギターと、
つぶやくように歌うかと思えば、奔放にシャウトもする、
ちょっと若い頃のジルベルト・ジルに通じる、ひょうひょうとしたヴォーカルの魅力は、
今作でも存分に発揮されています。
テタが弾くギターのフレージングって、彼が歌うヴォーカル表現そのままをなぞったものなんですね。
アフリカン・ギターの中でももっとも高度なテクニックを駆使したギターと、
野性味あるヴォーカルは、ツァピキの泥臭い音楽性を純化させた結晶のように、
ぼくには聞こえます。
マダガスカルの太陽、風、海の匂いを運ぶオーガニックなサウンドは、
インド洋音楽らしい突き抜けたものを感じさせる素晴らしさ。
アフリカ音楽ファン、ギター・ファンの双方にアピールする快作です。
【お断り】 当初この記事は「ツァピク」と書いていましたが、
その後「ツァピキ」が一般的な読み方と判明したため、タイトル・本文を修正しています。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-06-07
Teta "BLUE TSAPIKY" Balafomanga 860262 (2014)
2014-10-22 00:00
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