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蘇るドローレス・ドゥランの官能 ニーナ・ベケール [ブラジル]

Nina Becker  MINHA DOLORES.jpg

ああ、この声。こういう声に弱いんですよね。メロメロになってしまいます。
柔らかな発声、決して声を張らない歌いぶり。
この声で歌われる慈愛や母性に満ち溢れた歌は、
すべてを子守唄にしてしまうかのよう。
つぶやくように歌う“Vou Chorar” のデリケイトなヴォーカルの美しさは、
もう昇天ものです。

オルケストラ・インペリアルでフロントを務めるニーナ・ベケール、
10年に2作同時リリースしたというソロ・デビュー作は未聴で、
3作目にあたる今作でニーナをはじめて聴きましたが、
落ち着いたアルト・ヴォイスの魅力にとりことなりました。

本作は、ボサ・ノーヴァ誕生前夜に亡くなってしまった名女性歌手
ドローレス・ドゥランにオマージュを捧げたアルバム。
ドローレスが歌ったサンバ・カンソーンを、バンドリンと7弦ギターの二人をバックに、
ショーロの香り高いサウンドで歌っています。
パーカッション、エレピ、ギターのゲストが一部で加わるのも、
良いアクセントになっていますね。
シンプルなアレンジで、ニーナの歌の魅力を前面に打ち出しています。

ドローレスのクールな官能性を、21世紀の今に蘇らせたような本作、
ドローレス・ファンはもちろん、女性ヴォーカル・ファンに広くオススメです。

Nina Becker "MINHA DOLORES : NINA BECKER CANTA DOLORES DURAN" Joia Moderna 25 (2014)
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