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才能あふれる7弦ギタリスト リカルド・パウレッティ [ブラジル]

Ricardo Pauletti  CHORO DE FAIA.jpg   Ricardo Pauletti  VARIAÇÕES BRASILEIRAS.jpg

リカルド・パウレッティというショーロの若手7弦ギター奏者の新作。
初めて知る名前でしたけれど、豊かな才能の持ち主であることが伝わってくる内容に、
一緒に並んでいたデビュー作だという11年作も、あわせていただいてきました。

リカルドが演奏しているのは、裏庭のセッションといった感じのショーロではなく、
きっちりと譜面に書かれた、いわばコンポーズされた作品といった趣のショーロ。
曲ごとに編成を変え、フルートやサックスなどの管楽器を配した演奏や、
チェロなどの弦セクションを加えた演奏、また7弦ギターのソロあり、
アコーディオンやクラリネットをフィーチャーするなど、
さまざまなアンサンブルで楽しませてくれます。

感心したのはメロディがやたらと古風なことで、
これが全曲リカルドの作曲だというのだから、びっくりしてしまいます。
シキーニャ・ゴンザーガ(1847- 1935)の時代のショーロだよといわれても、信じちゃいそう。
ところがそんなノスタルジックともいえるメロディを、いわゆるレジオナル編成などではなく、
ドラムスをメインに据え、ベースをもフィーチャーしたり、
ショーロの通常でない編成で聞かせるところが面白い。

じっさいドラムスの存在感の方が大きくて、パンデイロがほとんど聞こえない曲もあるくらいです。
そんなユニークな編成なのに、音楽はいたって古風なショーロで、
ノスタルジックなメロディを優雅に奏でるところが、ショーロ・ファンには嬉しくなってしまいます。
ショーロは庶民の娯楽なんだから、才気あふれるインスト音楽になっちゃイケません。

デビュー作の方は、ガロート、ジレマンド・レイス、シコ・ブアルキのカヴァーもあり。
とりわけ耳ひかれたのが、アルバム・ラストのヴィオラ・カイピーラのソロ演奏。
この曲もリカルドの作曲ですが、
曲のブリッジでアラビックなメロディが飛び出すところは、すごくユニーク。
作曲家としてのセンスも相当なものです。

Ricardo Pauletti "CHORO DE FAIA" no label DSC1339 (2014)
Ricardo Pauletti "VARIAÇÕES BRASILEIRAS" no label DSC1339 (2011)
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