E・T・メンサーとテンポスのレコード [西アフリカ]
英領ゴールド・コースト(黄金海岸)と呼ばれたガーナが1955年に独立する前後、
ダンス・バンド・スタイルのハイライフで人々を熱狂させたE・T・メンサーとテンポス。
ガーナ音楽のポピュラー音楽史に大きな足跡を残し、
アフリカ音楽が生んだ巨人の一人として記憶されるE・T・メンサーの往時の録音が、
たっぷり69曲、4枚のディスクに収められ、
ガーナの独立記念日にあたる3月6日、イギリスで発売されます!
まだ発売前だというのに、なぜかエル・スールにはや入荷してたりするんですが、
ぼくはアマゾンUKにプリ・オーダーしてしまったので、
到着を心待ちにしているところです。
発売元は、E・T・メンサーのCDを初めて世に送り出した、
イギリスのアフリカ音楽専門の復刻レーベル、レトロアフリック。
レトロアフリックは、06年にケニヤのレ・マンゲレパのリイシューを最後に、
ぱったりと活動を停止していたので、この突然の活動再開には驚かされました。
その再開第1作が、E・T・メンサーというのはこのレーベルらしいところで、
レトロアフリックのリリース第1弾もE・T・メンサーだったんですよね。
その第1弾“ALL FOR YOU” と続編にあたる“DAY BY DAY” は、
E・T・メンサーとテンポスの名盤中の名盤でしたが、
今回の4枚組CDにはその2作に収められた全曲を網羅しているので、
まさしくこれを持っていれば決定版、
買い替え必須の全アフリカ音楽ファン必携のアルバムです。
アフリカ音楽ファンにはおなじみの、
フレミング・ハレヴさんのディスコグラフィを参照すれば、
本作のありがたみがいっそう増そうというもの。
http://www.afrodisc.com/#E.T.%20Mensah%20-%20Original%20releases
http://www.afrodisc.com/#E.T.%20Mensah%20-%20%20Compilations
リリース・アナウンスによれば、64ページのブックレットには、
ガーナ音楽研究の第一人者ジョン・コリンズさんの解説が付くそうで、
これを読むのも楽しみ。
コリンズさんが96年に出版した“E.T. MENSAH: THE KING OF HIGHLIFE” に
盛り込まれていない、新しい内容が読めるのではと期待しています。
コリンズさんといえば、アクラの自宅ボクール・ハウスが11年の洪水被害に遭った時、
世界中のアフリカ音楽ファンが一致協力して、募金活動をしたのが記憶に新しいですが、
その後もお元気に活躍されているようですね。
今回は4枚組CD発売の前祝いに、
E・T・メンサーのマイ・コレクションを並べてみました。
コンピレーションのレコードやEPは省略しちゃいましたけど、
最後に“E.T. MENSAH IS BACK AGAIN!” の見開きジャケット内の絵が面白いので、
ご披露しておきたいと思います。
イキイキとしたガーナのマーケットの様子を描いたこの画風、なんか見覚えがありませんか。
そう、フェラ・クティのジャケットで有名なナイジェリア人画家
ガリオクウ・レミが描いたものですよ。
77年のレコードということで、
すっかり庶民化したハイライフがその絵に表されていますね。
[10インチ] E.T. Mensah and His Tempo’s Band "E.T.MENSAH AND HIS TEMPO’S BAND" Decca WAL1001
[10インチ] E.T. Mensah and His Tempo’s Band "MORE MENSAH" Decca WAL1002
[10インチ] E.T. Mensah and His Tempo’s Band "A STAR OF AFRICA" Decca WAL1003
[10インチ] E.T. Mensah and His Tempos Band "TEMPOS ON THE BEAT" Decca WAL1009
[10インチ] E.T. Mensah and His Tempos Band "A SATURDAY NIGHT" Decca WAL1013 (1960)
[10インチ] E.T. Mensah and His Tempos Band "TEMPOS MELODIES" Decca WAL1022
[10インチ] E.T. Mensah and His Tempos Band "KING OF THE HIGH LIFES" Decca WAL1032 (1963)
[LP] E.T. Mensah & His Tempos Band "MENSAH'S AFRICAN RHYTHMS" Decca WAPS27 (1969)
[LP] E.T. Mensah "E.T. MENSAH" Decca WAP283 (1975)
[LP] E.T. Mensah & His Tempos Band "E.T. MENSAH & HIS TEMPOS BAND" Decca WAP286 (1975)
[LP] E.T. Mensah & His Tempos Band "E.T. MENSAH & HIS TEMPOS BAND" Decca WAP304 (1975)
[LP] E.T. Mensah "E.T. MENSAH IS BACK AGAIN!" Afrodisia DWAS2013 (1977)
[LP] E.T. Mensah, Victor Olaiya "HIGHLIFE GIANTS OF AFRICA" Polydor POLP102 (1984)
2015-03-01 00:00
コメント(5)
先ずは、ポップ・アフリカ800同様に、「スゲェなぁ~」と言う言葉しか出てきませんでした。
私なんぞ、この中の一枚も実物を目にしたことがありません。
bunboniさんが、いかに早くからアフリカ音楽を聴いていらしたかが、このコレクションの一部を拝見しただけでわかります。
私も我が家の棚をゴソゴソ探してみたら、DAY BY DAYのCDが1枚出てきただけでした。(話にならん!)
4枚組CDを購入するかなぁ・・・でも財布が・・・(話にならん!)
E.T.メンサーよりもbunboniさんの凄さを感じた記事でした。
「スゲェなぁ~」・・・。
by イワタニ (2015-03-01 06:59)
ぼくも30年前、中村とうようさんの『アフリカの音が聞こえてくる』で、E・T・メンサーのデッカ十吋盤を見た時は憧れたものです。まさかその数年後に、実物と巡り合えるとは予想だにしませんでしたが。
レコードって、欲しいと願い続けていると、いつかしぜんと手に入るものだとぼくは思ってます。「小さいことからコツコツと」(©西川きよし)続けてきただけの結果で、船便時代に海外通販のカタログをチェックしたりとか、専門店じゃないレコード屋でクズ盤扱いされている「その他」コーナーをマメに見たりしながら集めてきました。
いまやそんなことをしなくても、レア盤市場が出来上がっているので、お金持ちならすぐに集まる気もしますけど、金にモノをいわせて集めたコレクションじゃ、思い出になりませんもんねえ。
by bunboni (2015-03-01 09:33)
中村とうようさんの「アフリカの音が聞こえてくる」で、私はフジやアパラに興味を持つことが出来ました。
とうようさんの本は、どれも読んでて楽しくなりますよね。
bunboniさんの「ノイズ」の記事も読みましたが、ポップ・アフリカ800の次は、「bunboni 収集百珍」でいかがでしょうか?
by NO NAME (2015-03-01 12:09)
ありがとうございます。
私のノイズの記事をお読みになっているとは、お恥ずかしい。
こちらに↓ ぼくの初原稿であったことを書きましたけれど、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-07-22
最初は寄稿するつもりはなく、取材を受けるだけのつもりだったのが、
「じゃ、原稿をお願します」とさらりと爽やかに言われて面食らってできあがった原稿でした。
「bunboni 収集百珍」、そんな企画ができたら、夢みたいです。
by bunboni (2015-03-01 13:31)
申し訳ありませんでした。名前をいれわすれました。
by イワタニ (2015-03-01 13:46)