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アマリア・ロドリゲスの妹 セレステ・ロドリゲス [南ヨーロッパ]

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自称マリア・テレーザ・デ・ノローニャ・ファンのぼくではありますが、
ライスから発売された52年の初アルバムのリイシュー『ファドの淑女』は、
購入を見合わせてしまいました。
かつてリリースされた4枚組CDブックにほぼ全曲が収録されているので、
未収録の2曲だけのために、手を伸ばす気にはなれなかったんですよ。
4枚組CDブックをお持ちでない方には、もちろんぜったいオススメのCDですけどね。
オリジナル盤のジャケット・デザインでも採用していたら、買ったんだけどなあ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2009-11-27

そのかわりといってはなんですが、
同シリーズで出たアマリア・ロドリゲスの妹、セレステ・ロドリゲスのCDの方を買いました。
Patrimônio (遺産)と名付けられた、ポルトガルCNMによるファドの名歌手のこのシリーズ、
6年も前に出ていたんですね。気付きませんでした。

今年で92歳になるという、セレステ・ロドリゲス。
今も現役でファド・ハウスで歌っているっていうんだから、凄いですね。現役最高齢でしょうか。
セレステ・ロドリゲスのレコードはあまり出ていなくて、
ぼくもCDを1枚しか持っていなかったので、このCDには飛びついちゃいました。
新旧録音がごたまぜのベスト盤などでなく、
55年と58年の録音(発表年?)でまとめた構成が嬉しいですね。

さすがに実の姉妹だけあって、アマリアと顔立ちがよく似ているセレスチですけれど、
歌の方はお姉さんのような凄みはなく、軽やかでキュートな歌い口が持ち味。
さらにファドばかりでなく、カーニヴァルのマルシャも聞けるのが、このCDの香ばしいところ。
アコーディオンをフィーチャーしたコンジュントやオーケストラをバックに、
男女コーラスも伴って歌われるマルシャやヴァルサは、とても新鮮です。
のびのび歌うセレステもハツラツとしていて、気持ちよさそう。

アルバム・ラストが、これまた聴きものなんですねえ。
アマリアの名唱で知られる“Uma Casa Portuguesa”のライヴ録音です。
がやがやとした、いかにもファドハウスらしいくだけた雰囲気のなかで演奏が始まり、
コーラス部ではお客さん全員が歌うという親密さは、リスボンの下町にスリップするかのよう。
途中で思わずセレステも笑い出す一幕もあって、なんともいい雰囲気。
素晴らしい聴後感を残す、とても充実した内容の名盤。末永く愛聴できそうです。

Celeste Rodrigues "CELESTE RODRIGUES" CNM CNM221CD
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