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チャルガ寄りのポップ・フォーク カーリ [東ヨーロッパ]

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カーリことガリーナ・ディミトロヴァ・イヴァノヴァは、ブルガリアのポップ・フォークのシンガー。
こちらは新作じゃなく、06年の旧作でした。このあと08年に7作目が出ているようです。

ポップ・フォークといっても、かなりエスノ歌謡色が強く、
チャルガといった方がふさわしいかもしれません。
いきなりジプシー・ブラスが響き渡るなか、
バルカン・ラップをかます男性ラッパーに導かれてカーリが歌い出すというオープニングから、
ジプシー色濃厚なサウンドを全面に打ち立てたプロダクションが強烈です。

ヒップ・ホップ・トラックにクラリネット・ソロが絡んだり、アコーディオンがフィーチャーされたりと、
アゲアゲなダンス・トラックで振りまかれる、臭みたっぷりのバルカン・メロディがたまりません。
そんなバルカン民俗色をたっぷり練り込んだプロダクションが聴きもの。
前回のセルビアのゴガ・セクリッチのプロダクションは、シンプルで明快なものでしたけれど、
カーリの本作はもう少し手がこんでいる感じ。

ヒップ・ホップやラガの生かし方や、R&Bのサウンド・センスも巧みに取り入れていて
現代的なポップスとして通用させるセンスが見事です。
トルコのポップスをよく研究しているんじゃないでしょうか。
カーリの歌は、セルビアの女性シンガーのようなごりごりヴォーカルではなく、
もっとフツーなアイドルふうというか、シャバービーにいそうなタイプのシンガーですね。
ジャケットを見てメタル・ロックかとびびりましたが、その心配はありません。

Kali "SHESTO CHUVSTVO" Ara Music ARACD395 (2006)
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