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イサーン・ラムシン・ディスコ ブアパン・タンソーとシージャン・ウィーシー [東南アジア]

Buapun Tungsoe & Srijun Wesri  KOO EAK LUM SING.jpg

インリー・シーチュムポンに入れ込んだのは、もう2年以上も前になるのかぁ。
レーシングのように速いモーラムという意味で名づけられたラムシンは、
インリーのおかげで一気にブレイクした感がありましよたねえ。

もっともタイ通の人にいわせれば、ホンモノのラムシンは、
アップテンポの曲をメドレーで入れ替わり立ち代り歌い継いでいく、
アゲアゲのディスコ状態になるライヴこそが真骨頂だそうで、
インリーはラムシンのスタイルをうまくかっさらって、わかりやすく歌謡化したものだと、
身もふたもない解説をしてくださります。

インリー・ファンからすれば、だから何?と言い返したくもなりますが、
そのタイ通の人いわく、ホンモノのラムシンを知りたきゃ、
ブアパン・タンソーとシージャン・ウィーシーを聴かなきゃダメでしょと、おっしゃる。
そう言われて気になってはいたものの、そのコンビのCDが、ない。
で、すっかり記憶の彼方になってたんですが、つい最近、新作が出ているのを発見しました。

早速聴いてみましたが、あれ? インリーのあのデビュー作と、
まったく同じブレイクやリフが、やたらと登場します。
こちらが本流ラムシンというわりには、本家がインリーの大ヒット作のアレンジをパクったってこと?
それに、男女コンビといっても、アルバムではデュオ曲はなく、別々に歌っていて、
メドレー形式にもなっていません。
きっとアルバムはライヴと違って、リスニング仕様で制作してるんでしょう。
ちなみにブアパンは女性、シージャンが男性シンガーです。

ホンモノのラムシンは、本場タイのコンサート会場でないと味わえないようですね。
ドサ回り営業が収入の主で、アルバム制作なんてきっと眼中にないんでしょう。
カヴァー曲中心で、ひたすら歌い続け、踊り続けるイサーン・ディスコ状態になるというので、
ポンチャックみたいなものなのかも。それじゃあ、ライヴを観てみるかと思い、
カタログを見ると、CDはこの新作1枚しかないのに、
VCDやDVDはたくさん出ていることに気付きました。
そうかあ、メインはやはりライヴなんですね。
VCDが主流のタイで、DVDまで作っているところは人気者の証明ですね。

Buapun Tungsoe & Srijun Wesri  SOOD YORD MORLUM SING VOL.15.jpg   Buapun Tungsoe & Srijun Wesri  SOOD YORD MORLUM SING VOL.16.jpg

コンサートはフェス並みの大きな会場で、ステージには20人ほどの踊り子さんも従え、
ブアパンとシージャンが交替で歌いまくる。ブアパンの歌いぶりは荒っぽいものの、
二人とも客あしらいがうまく、ヴェテランぶりがわかりますねえ。
ステージ下で踊る観客を見ると、お客さんはけっこう若くって、ほとんどが20~30代。
もっとオヤジが聴いてんのかなと思ったので、これは意外でした。
女の子も多くって、イサーン・ラムシン・ディスコ状態となっています。

なるほどこりゃライヴを観なきゃ、ラムシンの醍醐味はわかりませんねえ。
バンドの演奏もしっかりしてるし、映像も数台のクレーンで撮られているようで、
会場全体の雰囲気もよく捉えていて、楽しめます。
第16集の方では、ノン・アンというゲストの女性歌手が登場して、エロ・ダンスもかましますよ。
現場では、酒も入った客たち同士がケンカを始めたりと、かなり物騒にもなるようですが、
家でDVDを観る分は安心であります。

Buapun Tungsoe & Srijun Wesri "KOO EAK LUM SING" Diamond Studio TOP760 (2014)
[DVD] Buapun Tungsoe & Srijun Wesri "SOOD YORD MORLUM SING VOL.15" Diamond Studio DVDTL081 (2013)
[DVD] Buapun Tungsoe & Srijun Wesri "SOOD YORD MORLUM SING VOL.16" Diamond Studio DVDTL085 (2014)
コメント(2) 

コメント 2

イワタニ

タイの音楽状況は、よく知りませんが、ライヴがメインの音楽状況なんて聞くと、うらやましいなぁ、と思います。
CDのアルバム制作に没頭するのがミュージシャンの仕事のようになった国より、客を喜ばせるためなら、何だってやっちゃうぞ!みたいなタイのミュージシャン精神の方が、やっぱりプロですよ。
音楽の、質の良し悪しなんてものより、汗をかいてバカになって歌っている人や、踊っている人を見ていると、音楽が本当に輝いていますよ。
タイの音楽は、あまり聞いたことないけど、ウキウキしてくるような楽しさがありそうですね。ちょっと怖いけど、タイで、こんなライヴ見たいですね。
by イワタニ (2015-04-09 17:10) 

bunboni

ルークトゥンにせよポップ・モーラムにせよ、タイの芸能システムは巡業中心に回っているみたいですよね。
過酷なロードで交通事故に遭った歌手も、ずいぶんいますからねえ。
コンサートはピンキリのようで、ヒドいものは小学校の学芸会並みと聞きます。踊り子が大勢いても、ろくに踊れない素人の女の子を並べただけでというのも多いんだとか。かと思えば、このDVDのようなステージもあるんだから、プロと素人芸との落差が激しいということのようです。
by bunboni (2015-04-09 20:32) 

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