民衆を導くサンバの女神 セシーニャ・ピヴェッタ [ブラジル]
あれ! これライヴだったんだ!
1曲目が終わって、拍手が聞こえてきたのには驚きました。
ラフなところなど微塵もない、かっちりとよくまとまった演奏、
きれいに揃った女性コーラスや、ギターやカヴァキーニョ、
打楽器の響きも、まるでスタジオ録音のようです。
サンバのライヴ・アルバムは数少ないだけに、
ライヴ盤でデビュー作を飾るとは、なかなかいい度胸の新人ですね。
セシーニャ・ピヴェッタは、サンパウロを拠点とするルーツ系のサンビスタとのこと。
若いながらも、すでに十分に練れた歌いぶりでサンバを歌える人で、
幼い頃からサンバ・サークルの中で育った人だろうことは、歌声を聴けば明らかです。
レパートリーを見ると、自作のサンバほか、
セザール・ピヴェッタという人のサンバを多く取り上げていて、
どうやらお父さんのようですね。
そうか、セザールの息子だから、セシーニャなんですね。
お父さん仕込のサンバは、デビュー作にして、すでに貫録十分ですよ。
ゲストに、ヴェーリャ・グァルダ・ダ・ポルテーラのメンバーで、
カンデイアとの共作者でもある、ヴァルジール59がリオから駆けつけています。
サンパウロのサンビスタが、
なぜポルテイラのサンビスタをゲストに迎えたのか不明ですけれど、
最近はサンパウロ=リオの交流が盛んになってきたんでしょうか。
かつては、双方ともプライドが高く、反目するようなところもみられましたけれど、
もうそういう時代ではなくなったのかな。
ゼカ・パゴジーニョのデビュー時を思わす、フレッシュながら、
オールド・スクールな伝統サンバの味わいをたたえた頼もしい新人です。
Cesinha Pivetta "NOSSA BANDEIRA" Pôr Do Som ATR37050 (2014)
2015-05-12 00:00
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