ポップ・フォークのリズムの魅力 アルベナ [東ヨーロッパ]
ブルガリア、チャルガの実力派歌手というアルベナ。
14年も前のアルバムですけれど、いろいろ試聴した近作より、気に入ったので購入。
最近はプロダクションがゴージャスになっているチャルガ(ポップ・フォーク)ですけれど、
ひと昔前のややチープ感ありな、スキマのあるサウンドの方が、ぼくは好きかも。
レゲトンのビートを取り入れたり、ビートメイキングが多彩なのが、本作の魅力。
変拍子を含むバルカンの様々なリズムを駆使しているから、
打ち込みのダンス・ポップのアルバムでも、リズムが単調とか、
一本調子とかには、ぜったいならないんですよね。
いわゆるダンス・ポップに、おおむね冷淡な反応しかできない自分が、
バルカン諸国のポップ・フォークには夢中になれる理由は、
ヴァラエティ豊かなリズムのおかげだな。
クラリネットのほか、ドゥドゥクとおぼしきダブルリードの笛の生音と、
管楽器のフレーズをシンセに置き換えて鳴らす音とのまじり合いも、
チャルガの聴きどころ。カーヌーンやエレクトリック・ブズーキが、
プログラミングの音の狭間で、効果的に使われています。
そして、アルベナのシャープな
ハイ・トーン・ヴォイスを駆使しながら、
巧みなメリスマを聞かせるキレのある歌唱も、見事。
実力派というふれこみは、ダテじゃありませんね。
スローのバラードでも、キレッキレになる歌唱は、
この人の声質の良さに加えて、
ヴォイス・コントロールの賜物なのだなと、
納得しましたよ。
これほど歌える人なのに、
この08年作しかないというのも、ナゾです。
ちなみに、チャルガの歌手って、みんな美形で、
スタイル抜群。
モデルばりの人ばっかりだけど、
ライナーの見開きに写った
アナベラの全身像を見ると、
背はあまり高くなさそう。
いわゆる小顔でもなく、
なんか親しみのわくプロポーションで、
しげしげと眺めちゃいました。
Albena "SDELKA ILI DA" Diapason APACD436 (2008)
2023-01-24 00:00
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