SSブログ

コロナ禍を超えて ユーカンダンツ [東アフリカ]

Ukandanz  KEMEKEM.jpg

昨年、インスト・アルバム(LP・デジタル)を出したユーカンダンツ。
ヴォーカルのアスナケ・ゲブレイエスが辞めてしまったのかと心配しましたが、
新作ではアスナケが無事復帰。コロナ禍でユーカンダンツの活動がままならず、
アスナケはエチオピアに戻ってたみたいですね。
今回はCDも出ていて、フォトブック仕様になっています。
タイトルの「ケメケム」は、エチオピア、アムハラ州中央のタナ湖に接する、
南ゴンダール県にある郡の名前。

ドラムスとキーボードがまたもや交代していますけれど、ギターのダミアン・クリュゼル、
サックスのリオネル・マルタン、ヴォーカルのアスナケ・ゲブレイエスは不動。
この3人が揃って、ユーカンダンツになるわけね。

冒頭の1曲目から、リオネルのサックスがよく鳴っていて、ワクワク。
アスナケもよくタメて、じっくりと歌っていて、成熟したなあ。
もう力まかせに歌うことはなく、エネルギーをぐっと内にタメることで、
パワーを倍増させる術をモノにしてますね。
ダミアンは、今回ベースも弾いていますよ。

ユーカンダンツの兄貴分ともいえるフランスのエチオ・ポップ・バンド、
アカレ・フーベの2曲目 ‘Alègntayé’ は、ダミアンのギター・リフから、
爆音オルタナ・ロックへとスイッチ。
ヘヴィーなビートにのせて、アスナケがぐりぐりとコブシを回します。
この重厚なサウンドこそ、ユーカンダンツならではで、
間奏ではサックスとドラムスが、思う存分、轟音を鳴り響かせます。

今回も往年のシンガーのクラシックス(マハムード・アハメッドの ‘Lebèsh Kabashen’、
ムルケン・メセレの ‘Kemekem’ ‘Anchin Mesay Konjo’)に、
アスナケのオリジナル曲を織り交ぜて歌っています。
前作のインスト・アルバムに収録されていたアスナケのオリジナル曲
‘Ferjign Chereka’ が、今回は歌入りで聞けますね(LPは未収録)。
この曲がダミアン作の ‘Moon Strike’ にシームレスにつながって、
アルバムは大団円を迎えるという趣向。
ユーカンダンツ、今作も絶好調です!

Ukandanz "KEMEKEM" Compagnie 4000 CIE4009 (2022)
コメント(2) 

コメント 2

アベバ

先日開催しました『日本✖️エチオピア民謡交換プロジェクト2023東京3DAYS行脚』の仕掛け人より、uKanDanZのヴォーカル・アスナケにまつわるぼれ話しを…民謡交換プロジェクトは、エチオピアからマシンコ(エチオピアの伝統楽器・一弦ヴァイオリン)奏者HaddinQoを招き、日本の民謡ユニットこでらんに〜とタッグを組んで、2つの国の民謡をセッションするという何とも実験的な試みでしたが、その晴れ舞台で披露された楽曲のひとつが、実はアスナケへのオマージュだったんです。

仕掛け人がエチオピア滞在中、現地でアスナケの生歌聴く機会がありました。そこで歌っていたにが往年のTilahun Gessesseの楽曲「Ethiopia」。それが日本の音頭にしか聞こえなくて、双方のアーティストに懇願しセットリストに組込んでもらいました。民クルのヴォーカルでもあるフレディさんが日本語の歌詞をつけ、盆オドラーの大ちゃんが振付を考案。千穐楽のフィナーレでは、この曲のサビの部分で大合唱がおき、いやぁ、アスナケに見せたかったですね。

アスナケの唄う「Ethiopia」はコチラ
https://www.youtube.com/watch?v=Gi8W-OHp2zA&t=8942s

アスナケの唄う「Ethiopia」へのオマージュ「エチオピア音頭」の大合唱はコチラ
https://youtu.be/Ha72QFNX52U

uKanDanZのアスナケは、ファンキーなバンドの演奏に迎合せず、正調のエチオ演歌をぶつけてくる感じが、民クルで民謡を唄い続けるフレディさんの姿に被ります。uKanDanZのおもしろさは、ファンキーと正調が本気でぶつかりあうところにあるのかなぁ…そのおもしろさに10年以上も前から気づいていたuKanDanZにはもう脱帽です。

by アベバ (2023-02-22 22:51) 

bunboni

おおっ、こりゃ、スゴイ!
アスナケ、エチオピアに戻ってフェンディカで歌ってたんですね。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2014-06-22

エチオピアも日本も、それぞれ自分の立ち位置を変えずに、互いに敬意の念をもって融合しあえる。スゴイじゃないですか。

フランシス・ファルセトに民クル、聞かせたいかも。
by bunboni (2023-02-22 23:13) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。