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南アのエレクトロニカ/ダウンテンポ フェリックス・ラバンド [南部アフリカ]

Felix Laband  DEAF SAFARI.jpg   Felix Laband  THE SOFT WHITE HAND.jpg

電子音楽という、まったく門外漢の分野ゆえ、
まったく知らずにいた南アの音楽家なんですが、その筋では有名な人だそうです。
ネット回遊中に見つけ、ジャケットのアートワークに惹かれて
試聴してみたところ、グングン引き込まれてしまいました。

15年の前作は、フェリックス・ラバンドの傑作と名高い作品だそうで、
物語性の強いトラックが並んでいて、
トータル・アルバムとしての完成度の高さは、
門外漢にも十分説得力があります。

ジャケットのアートワークのビザールな要素は、音楽からは感じられず、
むしろドリーミーで幻想的なサウンドに満ちています。
電子音楽といっても、内省的なシンガー・ソングライター的作品で、
チルアウト系ダウンテンポといっていいのかな。
精神世界に半歩踏み入れているようで、
リアルな現実と折り合いをつけているところに、
精神世界に耽溺しないバランスの良さを感じます。

新作は、ジョハネスバーグの爆破テロ事件のニュース音声に、
サイレンをコラージュした不穏なアンビエントからスタートします。
前作よりややダークなムードはあるものの、
前作にあった単調なハウス・ビートのトラックは影を潜め
ビートメイキングに磨きがかりましたね。

ループだけでなく、ギターやピアノでも作曲したと思われるソングライティングは、
しっかりとした骨格があって、ラップトップ・ミュージックとの違いを感じます。
12曲目に聞ける、マダガスカルのヴァリハのチューニングを狂わせたような
響きの弦楽器は、民俗楽器なのか、ハンドメイドの楽器なのか、
よくわからないんですけれど、こうした楽器音を取り入れるセンス、好きだなあ。

フェリックス・ラバンドのトラックは、クワイトや南ア・ハウスとも親和性が高いので、
電子音楽といっても、ぼくには取っ掛かりやすさがあったことも確かですね。
しかし、じっくりと聴くうちに、この人の音楽が持っているデリカシーに惹かれ、
共鳴するようになっていきました。
まだまだ未知なる分野に、心ソソられる音楽があって、興味は尽きません。

Felix Laband "DEAF SAFARI" Compost CPT470-2 (2015)
Felix Laband "THE SOFT WHITE HAND" Compost CPT605-2 (2022)
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