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呪術師の息子に捧ぐ ドゥドゥヴドゥ [南部アフリカ]

Duduvudu.jpg

南ア・ジャズのパイオニアである名サックス奏者、ドゥドゥ・プクワナのトリビュート作品。
バンドキャンプに23年3月3日発売とあったので、てっきり新作と思いきや、
どうやらリプレスだったらしく、14年12月8日に発売されていたんだそう。
知りませんでしたねえ。日本に入ってきたこと、なかったんじゃない?

サン・フランシスコ、ベイ・エリアで活躍するレコーディング・エンジニア兼ドラマーの
アンドリュー・スコットが企画制作した「ドゥドゥヴドゥ」は、
ドゥドゥゆかりのミュージシャンや、大勢の関係者が参加・協力した一大プロジェクト。
アンドリューは、イギリスのリーズ大学に留学していた66年に、
パブでブルー・ノーツを観て、ドゥドゥ・プクワナの音楽に深く感銘し、
以来、彼の長きにわたるドゥドゥ愛が、このプロジェクトに結実したんですね。

関係者には、ドゥドゥ未亡人のバーバラ・プクワナはじめ、
ブルー・ノーツのベーシスト、ハリー・ミラーとともにオガン・レコードを創立した
ハリー未亡人のヘーゼル・ミラー、そしてこのアルバムが
ラスト・レコーディングとなったトランペッター、ハリー・ベケットの未亡人
ヴェロニカ・ベケットなどの名前がみられます。

音楽監督は、ロンドン生まれ、サン・フランシスコ在住のフルート奏者クロエ・スコット。
09年11月にロンドンで最初の録音が行われ、その後サン・フランシスコで残りの録音をし、
1曲メンロー・パークでの録音もあります。
参加したミュージシャンは、年齢差60歳に及ぶ老若が集まった総勢30名。
ドゥドゥと共演経験があるミュージシャンでは、ハリー・ベケット(トランペット)、
アニー・ホワイトヘッド(トロンボーン)、
ニック・スティーブンス(ベース)が参加しています。

Dudu Pukwana In The Townships.jpg   Gwigwi Mrwebi Mbaqanga Songs.jpg

ドゥドゥの音楽性は、完全即興のフリーからアフロ・ロックまで、
幅広いことで知られていますけれど、ここではタイトルにゴスペルを冠したように、
クウェーラなど南アのタウンシップ・ミュージックの薫り高い
レパートリーを中心に選ばれているところが、個人的に嬉しいところ。
“IN THE TOWNSHIPS” 所収の ‘Ezilalini’ ‘Sonia’ ‘Angel Nemali’や、
グウィグウィ・ムルウェビでやった ‘Kweleentonga’ のカヴァーが、胸アツです。

プロジェクト名のドゥドゥとヴードゥーをかけたネーミングが、
かつてドゥドゥが参加したジョニー・ダイアニのスティープル・チェイス盤の
タイトル “WITCHDOCTOR'S SON” を思わせるところも、痛快です。

Duduvudu "THE GOSPEL ACCORDING TO DUDU PUKWANA" Edgetone EDT4144 (2014)
[LP] Dudu Pukwana and Spear "IN THE TOWNSHIPS" Caroline C1504 (1973)
Gwigwi Mrwebi "MBAQANGA SONGS" Honest Jons HJRCD103 (1967)
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