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トーゴのアフロ・ファンカー復活 ロジャー・ダマウザン [西アフリカ]

Roger Damawuzan  SEDA.jpg

70年代のトーゴを代表するアフロ・ファンカーで、
「トメのジェイムズ・ブラウン」の異名を取ったロジャー・ダマウザンが新作をリリース!
トーゴ・オール・スターズにフィーチャリングされたり
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-10-06
ラッパーのイロム・ヴィンスのアルバムに客演したりしていたので、
カムバック作が期待できるかとは思っていましたが、ついに出ましたねえ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2021-02-13

アフロ・ファンクのレア・グルーヴを掘っているフランスのレーベル、ホット・カサが、
ロジャーの70年代録音をコンパイルした2枚組LPを制作しましたが、
ベニンのバンド、レ・ア・デュ・ベナンをバックにしていたことから、
ロジャーを「ベニンのジェイムズ・ブラウン」などと、
勘違いして書いているテキストが散見されるのは、遺憾千万。
ロジャーは、52年に、かつて奴隷貿易の基地だったトーゴ南部の港湾都市
アネホに生まれた生粋のトーゴ人なので、そこんところヨロシク。

カムバック作をプロデュースしたのは、ロジャー・ダマウザンの甥っ子の、
ヴォードゥ・ゲーム率いるピーター・ソロ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-12-24
サックス、トランペット、トロンボーンの3管を配し、リズム・セクションには
ヴォードゥ・ゲームのメンバーも加わって、ロジャーをエスコートしています。

ロジャーはガゾの王とも称され、トーゴの伝統リズム、ガゾをファンク化しただけでなく、
アクペセやカムなど、さまざまなダンス・リズムを現代化した立役者で、
本作でもそうしたリズム処理がされていると思われます。
ぼくはそのリズムの詳細を知らないので、聴き分けることができないんですが。

なにより、ロジャーの歌いっぷりがスゴイ。
70歳を超す年齢をまったく感じさせない、
全身全霊を叩きつけてくるシャウトに圧倒されます。
このエネルギー、ハンパないすね。まさしく咆哮ですよ。
しゃがれ声が醸し出す、苦み走った味もたまりませんねえ。

タイトルの seda とは、ロジャーの母語であるミナ語で listen。
つまりは、クレイジーケンバンドの「俺の話を聞け!」みたいな感じでしょうか。
録音がクリーンで、ボトムの薄いミックスが、ちょっともったいないというか、
もっとローファイな録音にしたら、迫力が倍加したんじゃないかとも思うんですけど、
まずはヴェテラン・ファンカーの復活に、拍手喝采です。

Roger Damawuzan "SEDA" Hot Casa HC76 (2023)
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