SSブログ

グローカルに立ち返って キング・アイソバ [西アフリカ]

King Ayisoba  WORK HARD.jpg

おぉ、これはグリッタービート、ひさびさの快作じゃないですか。
近年のグリッタービートの作品は、プロデュースの姿勢に首をかしげるものが多くて、
キング・アイソバの新作が、前作同様グリットビートというのに、
正直、かなり警戒していたんです。

でも、これは充実作。
前作では、リー・ペリーやオーランド・ジュリウスを起用するという、
アイソバにどういう意義があるのか意味不明なコラボをしていましたけれど、
今回はアイソバのホームグランドでじっくりと制作して、成功しましたね。

ポスト・パンク・バンド、ジ・エックスのギタリスト、アーノルド・デ・ボーアが
前作に続きプロデューサーを務め、存在感のあるギターを弾いて効果を上げていますが、
今作の成功の立役者は、プログラミングのフランシス・アヤムガでしょう。

アイソバのコロゴを中心とする打楽器や笛、ラッパのアンサンブルと、
アヤムガによるビートメイキングとの絡みが、各段に向上しましたね。
コロゴの野趣な味わいを、プログラミングによって強化していて、
アヤムガ、いい仕事をしています。

こうした有機的なビートメイキングが功を奏しているからこそ、ラスト・トラックのような、
トーキング・ドラム・アンサンブルと笛によるフォークロアそのままのサウンドから、
コロゴのなまなましいエネルギーが、より実感できるアルバムづくりとなっているんですね。
ドラ声をはじめとする多彩な声音を駆使するアイソバの芸風も磨きがかかって、
シャーマニックな声の交叉が、いっそうスリリングに聞こえますよ。

King Ayisoba "WORK HARD" Glitterbeat GBCD134 (2023)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。