ソマリ・ファンク再始動 ドゥル・ドゥル・バンド・インターナショナル [東アフリカ]
夢、じゃなかろか。
ソマリアのドゥル・ドゥル・バンドが、なんとカムバック!
祖国の戦争によって散り散りになっていたメンバーが再結集して、
80年代のモガディシュの黄金時代以来となる、スタジオ録音が実現しましたよ。
03年にロンドンで、ハルゲイサの国立劇場を再建するための
募金プロジェクトが立ち上がり、ディアスポラとなった
かつての音楽家、俳優、コメディアンが招待されました。
これを機に、ドゥル・ドゥル・バンドの創設時のベーシスト、
アブディライ・クジェリを中心に、ドゥル・ドゥル・バンドが再結成され、
インターナショナルの名を加えて、ソマリ人コミュニティで演奏活動を開始したのでした。
その後、このブログでも何度も記事にしてきたように、
モガディシュ黄金時代の音源の復刻が進み、機が熟したのか、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-12-16
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-09-10
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-10-25
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-12-15
ベルリンの世界文化の家(HKW)が注目して、
モガディシュ黄金時代のアーティストを集めたコンサートが開催され、
ドゥル・ドゥル・バンド・インターナショナルのスタジオ録音も実現したんだそうです。
19年にレコーディングをしていながら、発売まで4年もの時間を要したというのは、
なかなか一筋縄ではいかない諸事情があったんだろうと想像しますけど、
ともあれ無事リリースされて、良かったです。
8人のメンバーに3人の歌手が揃った本作、
スタジオ録音とクレジットされていますが、かなり残響音のある録音で、
大きなコンサート会場で無観客録音したような音に聞こえますね。
ライヴ感のあるミックスも手伝い、往時と変わらないソマリ・ファンクが
よりヴィヴィッドに伝わってきて、胸がいっぱいになります。
西側のリスナーには、まるでレゲエに聞こえる、
ソマリア西部の伝統リズム、ダアントの曲も多くやっていて、
ソマリのグルーヴにやられます。
ドゥル・ドゥル・バンドの再始動を祝うかのような、
モガディシュ出身の画家が描いたジャケットのアートワークも、
この上ない素晴らしさですね。
Dur-Dur Band Int. "THE BERLIN SESSION" Out Here OH036 (2023)
2023-03-13 00:00
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