SSブログ

ブラジリアン・ギターの名作 マルコ・ペレイラ [ブラジル]

Marco Pereira  O SAMBA DA MINHA TERRA.jpg

こちらは季節の定盤ではなく、ふと思い出して一度聴き直すと、
そのままヘヴィロテになってしまう、生涯の愛顧盤。
ブラジルのギタリスト、マルコ・ペレイラの04年作です。
クラシックのギタリストなんですけど、
現在ブラジルで活躍するギタリストでは、ぼくが一番好きな人。

マルコ・ペレイラがマイ・フェバリットなことについては、
これまでにも折に触れ書いたおぼえがあるんですけれど、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2010-12-06
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-01-02
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2016-03-31
そういえば、このアルバムを紹介したことがありませんでしたねえ。

04年に出たアルバムで、タイトルからもわかるとおり、サンバ・アルバム。
クラシックのギタリストが、こんなにキレッキレでいいのか!と叫びたくなるほど、
リズムの鬼と化しているマルコのギター・プレイが詰まっているんですよ。

バーデン・パウエルとビリー・ブランコの共作 ‘Samba Triste’ に始まり、
ジルベルト・ジルの ‘Expresso 2222'、ジョルジ・ベンの ‘Zazueira’、
ガロートの ‘Lamentos Do Morro’、アリ・バローゾの ‘Morena Boca De Ouro’ ほか、
チック・コリアの ‘La Fiesta’、‘My Funny Valentine’、
そしてマルコ自身のオリジナル曲といったレパートリー。

マルコ・ペレイラの特徴といえば、なんといってもまずその音色の良さ。
クラシック・ギタリストらしい爪弾きによる立ち上がりの良いシャープな音が鮮やかで、
正確なフィンガリングが生み出す、整った1音1音にホレボレします。
こういうのって、運指練習の賜物なんだろうなあ。まったくバラツキがないもんね。

そして、ギターの長~いソロの凄まじさといったら!
休符がぜんぜん現れないんですよ。ソロを延々と弾き続けていくんだけど、
そのソロの構成が実によく組み立てられているんです。
単音ソロとコード・ソロの組み合わせも自在。
ふんだんなアイディアで、次から次へとフレーズが生まれてくるといった感じで、
これぞインプロヴィゼーションのお手本といったソロを堪能できます。
手癖が酷いギタリストがこれ聴いたら、恥ずかしくなるんじゃない?

超速テンポでのキレッキレのギターにも目がくらむけど、
スロー・バラードで聞かせる、音の強弱が生み出すニュアンスの美しさも絶品。
ギター・ソロで弾いた ‘My Funny Valentine’ は、メロディをまったく崩さず
ストレートに弾きながら、情感豊かに歌わせていて、圧倒されますよ。
この曲の最高のヴァージョンのひとつなんじゃない?

最初から最後まで、マルコのギターに耳を引き付けられっぱなしのアルバムですけれど、
複数名のベース、ドラムスの確実なサポートぶりも聞き逃せません。
とくに、アミルトン・ジ・オランダ・キンテートやエルメート・パスコアールのグルーポの
名ドラマー、マルシオ・バイーアのプレイはさすがといえます。
‘Samba Triste' でマルコとリズムをキメまくるブラシ・プレイは、もう最高。

マルコ・ペレイラのアルバムは、手元に10枚以上ありますけれど、
このアルバムがダントツで再生回数最多であることは間違いありません。

Marco Pereira "O SAMBA DA MINHA TERRA" Solu 20.0663.002 (2004)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。