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ワールド・トップ・クラスのポップス トトー・ST [南部アフリカ]

Toto ST  FLAVORS OF TIME.jpg   Toto ST  AVA-TAR.jpg

アンゴラのポップス才人、トトー・STの新作が2作同時リリース。
試聴もせず即買ったのは、14・19年作でこの人の才能にすっかり惚れ込んでいたから。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2021-06-09
駄作なんか作るわけないもんね、この人なら。

というわけで、さっそく “FLAVORS OF TIME” から聴いてみて、
いきなりオープニングの ‘Lovers’ にビックリして、大笑いしちゃいました。
英語アルバムだというので、何か仕掛けがあるとは多少予想していたとはいえ、
70年代シティ・ポップ丸出しのサウンドには、笑いが止まりませんでした。
イントロの古めかしくも懐かしいシンセの音色に、ええっ!
歌い出しのメロディにくすくす、にやにやが止まらず、
見事なまでにシティ・ポップをなぞったサビのコーラス・パートで、大爆笑。

いや、これ、明らかにネラった作りなんだけど、
シティ・ポップ・ブームって、世界の辺境=日本の地だけの出来事かと思ってたら、
アンゴラにもその波は届いてたんすか !?
桑田佳祐が「チャコの海岸物語」で、ヌケヌケと歌謡曲をやってのけた
パンクぶりに通じる所業だな、こりゃ。

ほかにも、ゲーテド・リヴァーブをかけたドラムスがもろに80年代の ‘Traveler’ や、
デイヴィッド・T・ウォーカーそっくりのギター(特にエンディング)を
マリオ・ゴメスが弾いている ‘One Of A Kind’、
曲調やコーラスの使い方がまんまスティーヴィー・ワンダーの
‘Take It No More’ などなど。いやぁ、恐れ入りました。
エジ・モッタの “AOR” に劣らぬ傑作じゃないですか。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2013-06-03

この人のソングライターの才能は、ほんとにズバ抜けてますね。
こんな曲も書けるんだというオドロキの連続で、どれも美メロ揃い。
せつなさがこみ上げる ‘Sunshine’ が個人的にはベスト・トラックかな。
これ、シティ・ポップ文脈でプロモートしたら、日本でヒット間違いなしと思うんだけど。
栗本斉さん、いかがですか?

うってかわって、“AVA-TAR” のオープニングは、
手拍子と重厚なコーラスによる南部アフリカのムードあふれるア・カペラでスタート。
そして2曲目以降は、トトー・STの作風を発揮した
ハイ・クオリティなコンテンポラリー・ポップ。
ソングライティングはフックが利いているし、歌はうまいし、
ジャズ・テイストが利いた生演奏のクオリティは上質と、
ケチのつけようがありません。

これまでトトー・STのソングライティングにアンゴラ色はなく、
ユニヴァーサルなセンスと思っていたけど、
“FLAVORS OF TIME” のあとに聴くと、
十分に南部アフリカのエッセンスが滲んでいることがわかりますね。
じっさい今回は、‘Kassukata’ でセンバのリズムを使っているし。

ほんと、ブルーノートやビルボードライブがブッキングしないのが、不思議なくらいだよね。
この人に足りないのは、マネジメントだけだな。

Toto ST "FLAVORS OF TIME" 17A7 17A722004 (2022)
Toto ST "AVA-TAR" 17A7 17A722005 (2022)
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