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リェナ・ヴィッレマルクの背中を追って ジュース・オック・リクタ [北ヨーロッパ]

Ljus Och Lykta.jpg

なんてフレッシュなポリフォニー!
一聴して、魅せられちゃいました。
「光とランタン」を名乗る、スウェーデンのフォーク・グループのデビュー作です。

女3男1の4人組で、全員が歌います。
伴奏がギターとフィドルだけという潔さがいいじゃないですか。
ソロのシンギングやポリフォニーのコーラス、リルティングも自由闊達で、
実にのびのびとしていて、キモチいいですねえ。

レパートリーは舞台芸術庁のアーカイヴから見つけてきた
スウェーデンの伝統歌ばかりだそうで、
それを彼ら流にアレンジを練ったものなのでしょう。
伝統に沿いながらも、ポリフォニーには現代性が感じ取られ、
熟達したフィドルのプレイもビートが立っていて、スリリングです。
歌と演奏の双方がそれぞれ引き立つ場面が作られていて、
構成がしっかりしています。

なんでもリード・ヴォーカルのクララ・エックマンは、
リェナ・ヴィッレマルクのコンサートを観たことで、
伝統歌の世界にのめりこむことになったんですって。
それを聞いて、ぼくもリェナの89年のデビュー作を思い出して、嬉しくなっちゃいました。

Lena Willemark.jpg

リェナ・ヴィッレマルクといえば、
ぼくにスウェディッシュ・フォークの素晴らしさを教えてくれた人。
トラッドに立ち位置を置きながら、ロックやジャズなどへと領域を広げ、
さまざまな実験も重ねて、このジャンルの第一人者となりましたが、
ブズーキとフィドルをバックに、ゴリゴリの伝統歌を歌った
リェナの鮮烈なデビュー作が、いまでもぼくには忘れられません。

そんなリェナのデビュー作にもオーヴァーラップする、
若々しさが輝かしい、とびっきりフレッシュなジュース・オック・リクタのデビューです。

Ljus Och Lykta "LJUS OCH LYKTA" Caprice CAP21938 (2022)
Lena Willemark "NÄR SOM GRÄSET DET VAJAR" Amigo Musik AMCD722 (1989)
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