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ケイジャン・ダンスホール エヴァンジェリン・プレイボーイズ [北アメリカ]

Evangeline Playboys  A TRIBUTE TO AUSTIN PITRE.jpg   Austin Pitre  THE ESSENTIAL EARLY CAJUN RECORDINGS.jpg

ルイジアナ生まれのアコーディオン奏者オースティン・ピートルは、
ケイジャン音楽にドラムスを取り入れ、モダン化を果たしたパイオニア。
ピートルは81年に亡くなりましたが、
ピートルのバンド、エヴァンジェリン・プレイボーイズの
元メンバーたちが集まって行われた、ハウス・ジャムのライヴ・ドキュメントが出ました。

これは、99年にフィドルのアレン・アルドワンの野外キッチンで行なわれたライヴ録音で、
かつてドラムスを叩いていたマイク・テイトが、
ピートルの代わりにアコーディオンを弾いています。
新しく参加したヴォーカルとギターのボビー・ミショーが、記念にと考えたのか、
ワン・マイクでカセット録音しておいたという音源が、このたびディスク化されました。

最初にハウス・ジャムといったのは、観客のいるライヴではなく、
演奏者の親族縁者が楽しむためのジャム・セッションだからです。
ホストは食材を用意し、鍋をかき混ぜ、時間のかかる料理をしながら、
食事の準備が整うまで、何時間も演奏を続けるというパーティー・ミュージックなのですね。
もともとケイジャンの伝統音楽は、フェ・ドドー Fais do-do と呼ばれる
伝統的な屋内パーティから発展を遂げてきたダンス音楽なので、
こうしたパーティー文化が基礎にあるのでしょう。

音質はワン・マイク録音なので、推して知るべしなんですが、
気の置けない仲間内のパーティらしい、リラックスした雰囲気が最高です。
『オースティン・ピートルに捧ぐ』のタイトルどおり、往年のピートルの曲が歌われていて、
代表曲 ‘Les Flammes D'Enfer’ をはじめ、 ‘Opelousas Waltz’ ‘Rene's Special’
‘Lakeview Special’ ‘China Ball Blues’ などの再演を聴くことができます
(オリジナル録音はスワロウ盤に収録)。

ピートルのノドを詰めたヴォーカルと、ミショーの声を張り上げて、
ポルタメントを利かせるヴォーカルというスタイルの違いはあれど、
とちらにも歌に泣きが滲むところが、ケイジャン・ミュージックの味わい。
メロディは陽気でも、ヴォーカルが泣き節という対比が、
ぼくにとってはとても魅力なのです。

Evangeline Playboys "A TRIBUTE TO AUSTIN PITRE" Nouveau Electric NER1022
Austin Pitre "THE ESSENTIAL EARLY CAJUN RECORDINGS OF AUSTIN PITRE & THE EVANGELINE PLAYBOYS" Swallow SW6211
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