SSブログ

トゥアレグのディープなトランス・ミュージック アル・ビラリ・スーダン [西アフリカ]

Al Bilali Soudan  BABI.jpg

ティナリウェンの新作に心底落胆。
歌うべき内実を失ったサウンドに、耳を覆いたくなりました。
そんなところにトゥアレグのグリオ・グループ、アル・ビラリ・スーダンの新作が届いて、
これでティナリウェンに別れを告げても、未練はないと考えるまでになりました。

前作はテハルダント3人とカラバシ2人でしたが、
カラバシが一人離脱して4人編成となったようです。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-06-02
といっても、家族と親類縁者によるグリオたちだから、
出入り自在のゆるやかなグループなんでしょうが。

アンプリファイド・テハルダントの強烈なサウンドが空気を切り裂き、
尋常じゃない緊張感に満ち溢れていた前作からは一転、
アンプラグドのアクースティックなサウンドとなって、
デビュー当時のサウンドに戻っています。

10・11年にバマコで録音されたデビュー作は音質がプアでしたが、
今回は整った環境でレコーディングしたとみえ、
デビュー作とは見違える音響で、トランシーなタシガルト(タカンバ)が
ダイナミックに迫ってきます。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2014-01-09

しつこいまでに反復を繰り返しながら、
トランスを生み出すグルーヴが、このグループの真骨頂。
このディープさこそ、いまのティナリウェンが失ってしまった
トゥアレグ音楽が持つナマナマしさですね。
今、日本に呼んでほしいのは、ティナリウェンじゃなくて、アル・ビラリ・スーダンだよ。

Al Bilali Soudan "BABI" Clermont Music CLE073 (2023)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。